マモノ狩り或いは激情1

起動

アンジーが話す。
「ランキング戦が決まったぜ」
唐突だった。

僕が此処へ来て約一週間、流石に。

テーブルに掛けたアンジーの姿をよく見ると、いい体格をしていた。
後ろに流した髪も無精髭も、ザ漢って感じで決まっていた。

向かいに座るミアは深刻な顔をしていた。
隣りに立つチュアンも。

「当たり前の事だが、この道場からは1人しか出場できない。だから、2人で闘ってもらい勝者が出場権も持つ」

なんて事だ。
順当に行けばチュアンが挑戦するのが筋だと思うのだが。

チュアンは泣いていた。
その決意。
「俺は上へ行く。だから、勝つ」


道場へ集まった。
チュアンは正装なのだろう、金色のコスチュームを着ていた。
金色のレガースとショートパンツと肘当てと。

拳は黒のショートパンツのみ。
ミアにもらった物だ。

「それでは、出場者決定戦を行う。頭突き金的目潰し背骨への打撃は禁止だ。オーケーか?」
アンジーの言葉に両者頷く。

2人の距離は2メートルほど。
拳はアップライト、チュアンは低く構える。

「始めッ!」

アンジーの掛け声も共に動く。

チュアンの動きは読んでいた。
クセがあるのだ。

タックルに来る顔面へ膝を合わせる。
それはチュアンのフェイクで、屈みながら横へスライドした。
片足タックルである。

それすら、読んでいた。
拳の左下にあるチュアンの顔へ、打ち下ろしのコークスクリューである。

クリーンヒット!
こめかみを打ち抜いていた。

チュアンはそのままダウンして動かなくなった。
ミアが駆け寄った。

拳は立ったまま、動けなかった。
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