君を守る契約
退院日。
あの日から毎日宗介さんは時間が許す限り病院に来ていた。そして今日もフライトを変更してもらいお迎えに来てくれる予定だ。
フライトを変更するなんて信じられなかったが職場に私の出産を報告したところ、かなり驚かれ育休を少し後になるが取れることになった。退院のお迎えも周囲から是非行ったほうがいいと言われ、送り出されたそうでホッとした。
腕の中で眠る小さな体は、まだ夢の続きにいるみたいに規則正しい呼吸を繰り返していた。
その温もりを確かめるたび、「本当に終わったんだ」と、そして「本当に始まったんだ」と、同時に思う。
「準備、できた?」
宗介さんが部屋に入ってきた。
幸也と里美が準備していた荷物をまとめ、すでに彼のマンションに運び込んでくれている。私はこのまま彼女のマンションには戻らず、彼のマンションに向かうこととなる。
今までの荷物に加え、赤ちゃんの準備もありかなりの荷物になっていたはずだが、それをふたりは
「赤ちゃんも色々な家に行くのは負担がかかるし、このまま彼の家で新生活を始めたほうがいいと思うよ。琴音だって今まで寂し
かったでしょ」
里美は口にしていなかったが私の気持ちはずっとわかっていたようだ。その上で出産後で大変な私の体を心配してくれたようだ。何から何まで彼女には感謝しても仕切れない。
「入院中に荷物はこれで全部かな?」
彼は周囲を見まわしながら荷物をバッグを手にした。
「ベビーベッドはもう組み立ててあるんだ。早くお家に帰ろうな」
赤ちゃんに声をかけつつ、私にも言っているような気がした。
久しぶりの彼の家だ。なんだかほんの少し緊張する。あれほどの覚悟を持って家を出たのが随分前のよう。
あの日から毎日宗介さんは時間が許す限り病院に来ていた。そして今日もフライトを変更してもらいお迎えに来てくれる予定だ。
フライトを変更するなんて信じられなかったが職場に私の出産を報告したところ、かなり驚かれ育休を少し後になるが取れることになった。退院のお迎えも周囲から是非行ったほうがいいと言われ、送り出されたそうでホッとした。
腕の中で眠る小さな体は、まだ夢の続きにいるみたいに規則正しい呼吸を繰り返していた。
その温もりを確かめるたび、「本当に終わったんだ」と、そして「本当に始まったんだ」と、同時に思う。
「準備、できた?」
宗介さんが部屋に入ってきた。
幸也と里美が準備していた荷物をまとめ、すでに彼のマンションに運び込んでくれている。私はこのまま彼女のマンションには戻らず、彼のマンションに向かうこととなる。
今までの荷物に加え、赤ちゃんの準備もありかなりの荷物になっていたはずだが、それをふたりは
「赤ちゃんも色々な家に行くのは負担がかかるし、このまま彼の家で新生活を始めたほうがいいと思うよ。琴音だって今まで寂し
かったでしょ」
里美は口にしていなかったが私の気持ちはずっとわかっていたようだ。その上で出産後で大変な私の体を心配してくれたようだ。何から何まで彼女には感謝しても仕切れない。
「入院中に荷物はこれで全部かな?」
彼は周囲を見まわしながら荷物をバッグを手にした。
「ベビーベッドはもう組み立ててあるんだ。早くお家に帰ろうな」
赤ちゃんに声をかけつつ、私にも言っているような気がした。
久しぶりの彼の家だ。なんだかほんの少し緊張する。あれほどの覚悟を持って家を出たのが随分前のよう。