君を守る契約
ダイニングテーブルに座るとホカホカと湯気が立ち昇っていた。

「いただきます」

彼は早速スープを口にすると、顔が綻ぶ。続けてパスタを口にするとこちらも目を大きくして何度も頷いていた。その表情を見てようやく私も口にした。
うん、シンプルだけど美味しい。彼はあっという間にどちらも食べ終わってしまった。

「ごめんなさい。足りませんでした?」

「いや、お腹いっぱい。本当に美味しくてあっという間に食べ終わったよ」

「なんだか有り合わせの料理ですみません」

いつもの私なら全然ありだが、彼に出すにしては少し庶民っぽいような気がしていた。

「いや、本当に美味しかった。すごいな、買い物に行ってないのにあるもので作れるなんて。それにパスタだけかと思ったのにあの短時間でスープまで作るなんて天才だな」

「そんな大袈裟な……。でもお口にあってよかったです」

そんなに褒められると少し恥ずかしいが、素直んい彼に喜んでもらえてよかった。

「コーヒー入れるよ」

「あ、私が」

「そのくらいしか活躍できないから気にしないで。むしろこれからは俺の役目にさせて」

彼はそう言うと立ち上がりマシンにコーヒーの粉をセットし始めていた。
なんだかこうしていると本当に新婚みたいないがしてしまう。そんなのは偽装なのに、このままこうしていたら勘違いしてしまうそう。私は奥歯にぎゅっと力を入れ首を小さく横に振った。
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