君を守る契約
始まりの朝
昨日帰ってくると宗介さんは何事もなかったように私を「おかえり」と言って出迎えてくれた。私もダミーのように用意した和菓子を彼にお土産として手渡すとそれ以上のことは聞かれずに済んだ。そのことで余計に契約の関係なんだと胸がまた少し痛む反面、ありがたくも感じた。
今朝の朝食はトーストと卵とコーヒー。その向こうで彼はタブレットでニュースを見ているようだった。この風景だけ見ていると本当に新婚のようだ。私は朝食を作りながら、いつもと変わらずにお弁当を詰めていた。
「なぁ、俺にも内勤の時には作ってくれる?」
コーヒーのおかわりを入れにきて、私のお弁当を覗き込むとそう言った。
「え? でもこんな残り物を詰めたようなものですから」
彼がこんなお弁当を食べている姿は全く想像できない。
「琴音のお弁当は本当に美味しそうだ。無理でなければ俺も食べたい」
そう言われると彼の懐から出ている食費なので断るのもおかしいだろう。私が頷くと嬉しそうに微笑んでいた。シフトを見て、彼が内勤の日は作る約束をした。
「今日から一緒に行こうか」
彼にそう言われ、思わず目を見開いた。そんなに既婚者になったことをアピールしたいのだろうか。あまり目立つことをしたくない私としては徐々に広まることが希望なのだが……。でも契約は契約だ。彼と一緒にいくと言っても私たちの勤務内容から言っても毎日にはならないだろう。今日は彼の言葉に従って一緒に家を出ることにした。
今朝の朝食はトーストと卵とコーヒー。その向こうで彼はタブレットでニュースを見ているようだった。この風景だけ見ていると本当に新婚のようだ。私は朝食を作りながら、いつもと変わらずにお弁当を詰めていた。
「なぁ、俺にも内勤の時には作ってくれる?」
コーヒーのおかわりを入れにきて、私のお弁当を覗き込むとそう言った。
「え? でもこんな残り物を詰めたようなものですから」
彼がこんなお弁当を食べている姿は全く想像できない。
「琴音のお弁当は本当に美味しそうだ。無理でなければ俺も食べたい」
そう言われると彼の懐から出ている食費なので断るのもおかしいだろう。私が頷くと嬉しそうに微笑んでいた。シフトを見て、彼が内勤の日は作る約束をした。
「今日から一緒に行こうか」
彼にそう言われ、思わず目を見開いた。そんなに既婚者になったことをアピールしたいのだろうか。あまり目立つことをしたくない私としては徐々に広まることが希望なのだが……。でも契約は契約だ。彼と一緒にいくと言っても私たちの勤務内容から言っても毎日にはならないだろう。今日は彼の言葉に従って一緒に家を出ることにした。