君を守る契約
***
カーテンの隙間から差し込む柔らかな朝の光に目を覚ますと、隣で宗介さんが静かに寝息を立てていた。
肩にかかった毛布の端をそっと整える。あんなにドキドキしていたのに気がつけば眠りに落ちてしまっていた私の神経の図太さに思わず口角が上がった。でも、不思議と安心して眠れたのは、彼が隣にいたからかもしれない。
ふと気がつくとキッチンの方からゴソゴソと音がしていた。幸也が起きてきたのかもしれない。私はパーカーを羽織るとリビングに出て行った。
「おはよう」
「あ、姉ちゃん、おはよう。俺、お雑煮でも作ろうかなと思って」
そう言うと冷蔵庫の材料を確認し始めていた。そういえば去年のお正月も勉強で忙しい中初めて作ってくれてのを思い出した。あの時はちょうど私の勤務が遅くて朝起きて来られなかったんだった。
「じゃあ一緒に」と私も手を洗うと二人で台所に立った。
鰹出汁の香りと、焼き目のついたお餅の匂いが部屋を包む。
そろそろ出来上がるという頃、宗介さんは慌てたようにバタバタとリビングに出てきた。
「ごめん、寝坊した」
彼の髪型は乱れ、ほんの少しだけ顔が腫れぼったい。いかにも寝起きの顔だ。普段一緒に暮らしていてもこんなに乱れた彼を見たのは初めてだ。いつもどこか余裕を感じる彼にもこんな一面があるなんて少し意外。
「おはようございます! まだ全然早いですよ」
「いやぁ、すっかりよく寝ちゃって……」
私が隣にいても彼もよく眠れたようで良かったと思った。彼はキッチンからの匂いに「お正月っぽいな」といそいそとキッチンの中に入ってきた。
「宗介さんお餅何個食べます?」
「3個かな」
「わかりました。じゃ、まずは顔を洗ってきて」
私が彼の背中を押すと、彼は私の顔を見て微笑むと洗面所に消えて行った。
三人で囲む食卓。
湯気の立つお雑煮と、黒豆、数の子、そしてお煮しめと大根とにんじんの生酢。簡単だけど、心が満たされる朝だった。
カーテンの隙間から差し込む柔らかな朝の光に目を覚ますと、隣で宗介さんが静かに寝息を立てていた。
肩にかかった毛布の端をそっと整える。あんなにドキドキしていたのに気がつけば眠りに落ちてしまっていた私の神経の図太さに思わず口角が上がった。でも、不思議と安心して眠れたのは、彼が隣にいたからかもしれない。
ふと気がつくとキッチンの方からゴソゴソと音がしていた。幸也が起きてきたのかもしれない。私はパーカーを羽織るとリビングに出て行った。
「おはよう」
「あ、姉ちゃん、おはよう。俺、お雑煮でも作ろうかなと思って」
そう言うと冷蔵庫の材料を確認し始めていた。そういえば去年のお正月も勉強で忙しい中初めて作ってくれてのを思い出した。あの時はちょうど私の勤務が遅くて朝起きて来られなかったんだった。
「じゃあ一緒に」と私も手を洗うと二人で台所に立った。
鰹出汁の香りと、焼き目のついたお餅の匂いが部屋を包む。
そろそろ出来上がるという頃、宗介さんは慌てたようにバタバタとリビングに出てきた。
「ごめん、寝坊した」
彼の髪型は乱れ、ほんの少しだけ顔が腫れぼったい。いかにも寝起きの顔だ。普段一緒に暮らしていてもこんなに乱れた彼を見たのは初めてだ。いつもどこか余裕を感じる彼にもこんな一面があるなんて少し意外。
「おはようございます! まだ全然早いですよ」
「いやぁ、すっかりよく寝ちゃって……」
私が隣にいても彼もよく眠れたようで良かったと思った。彼はキッチンからの匂いに「お正月っぽいな」といそいそとキッチンの中に入ってきた。
「宗介さんお餅何個食べます?」
「3個かな」
「わかりました。じゃ、まずは顔を洗ってきて」
私が彼の背中を押すと、彼は私の顔を見て微笑むと洗面所に消えて行った。
三人で囲む食卓。
湯気の立つお雑煮と、黒豆、数の子、そしてお煮しめと大根とにんじんの生酢。簡単だけど、心が満たされる朝だった。