君を守る契約
冬の冷たい空気の中、三人で神社へ向かう。
吐く息が白く、手をこすり合わせながら歩くと、参道には屋台の灯りが揺れ、甘酒やたこ焼きの匂いが漂っていた。
「人、多いですね」と琴音が言うと、宗介は小さく笑って「正月らしいな」と答えた。
幸也は少し先を歩きながら「おみくじ引こう!」と振り返る。その姿がまるで昔のままで、思わず笑みをこぼした。
さすが元旦、人の波が絶えない。混雑する中、人の流れに飲み込まれそうになる。すると宗介さんは私の腕を掴み自分の胸元まで引き寄せた。
「大丈夫?」
掴まれた腕から、寒空を忘れるほどの熱が伝わった。そして、彼は人の多さを改めて見回すと私の手を握りしめてきた。
「はぐれないように」
小さくそう呟く声が聞こえた。握りしめられた手をまじまじと見つめてしまうが、その間にも私たちは人に押され、流されていく。
ようやく正面まで辿り着くとお賽銭を入れた。幸也の鳴らす鈴の音が鳴り響く。
手を合わせて願うのは、いつもと同じだ。
“家族が健康でありますように”
でも、今年はもうひとつだけ胸の奥で呟いた。
“この穏やかな時間が、もう少しだけ続きますように”
初詣を終え、帰り道に寄った甘酒の屋台。
宗介から紙コップを受け取ると、湯気の向こうで笑っていた。
「熱いから気をつけて」
言われた通り、フーフーと何度も息を吹きかけてから一口飲む。それを見て彼はふっと目を細めた気がした。
吐く息が白く、手をこすり合わせながら歩くと、参道には屋台の灯りが揺れ、甘酒やたこ焼きの匂いが漂っていた。
「人、多いですね」と琴音が言うと、宗介は小さく笑って「正月らしいな」と答えた。
幸也は少し先を歩きながら「おみくじ引こう!」と振り返る。その姿がまるで昔のままで、思わず笑みをこぼした。
さすが元旦、人の波が絶えない。混雑する中、人の流れに飲み込まれそうになる。すると宗介さんは私の腕を掴み自分の胸元まで引き寄せた。
「大丈夫?」
掴まれた腕から、寒空を忘れるほどの熱が伝わった。そして、彼は人の多さを改めて見回すと私の手を握りしめてきた。
「はぐれないように」
小さくそう呟く声が聞こえた。握りしめられた手をまじまじと見つめてしまうが、その間にも私たちは人に押され、流されていく。
ようやく正面まで辿り着くとお賽銭を入れた。幸也の鳴らす鈴の音が鳴り響く。
手を合わせて願うのは、いつもと同じだ。
“家族が健康でありますように”
でも、今年はもうひとつだけ胸の奥で呟いた。
“この穏やかな時間が、もう少しだけ続きますように”
初詣を終え、帰り道に寄った甘酒の屋台。
宗介から紙コップを受け取ると、湯気の向こうで笑っていた。
「熱いから気をつけて」
言われた通り、フーフーと何度も息を吹きかけてから一口飲む。それを見て彼はふっと目を細めた気がした。