用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
(殿下が、私のために……)
このハーブティーを自分のために用意しようとしてくれたことが、嬉しくて。胸の奥からじわじわと温かな感情が込み上げてきた。
「あ、ありがとう、ございます……」
「もっと早く、こうなる前にケアすべきだったのに……。一足も二足も遅くなってしまってすまない。医師は過労だと言っていた。滋養のあるものを食べてよく休むようにと。だからしばらくは、ハーブのことはエクトルたちに任せて、安静にするように。いいね」
アランの言葉に、喜びから一転、エレインは冷や水を浴びせられたような気分に陥った。
「殿下にも、他のみなさんにも、ご心配とご迷惑をかけてしまって、本当に申し訳ありませんでした。でも、私はもう大丈夫ですので、仕事はこれまで通りできます」
「駄目だ。医師からも安静にするように言われている」
「ちゃんと休憩を取りながらやりますから、どうか」
「無理をしないという約束だっただろう」
食い下がるエレインに、アランが語尾を強めた。
怒鳴ったわけでもないのに、その声音から微かに怒気を感じてエレインは押し黙る。アランの顔を見れなくて視線を手元に落とす。膝の上の両手は、無意識のうちに拳を作り、爪が食い込むほどに強く握りしめていた。
(約束を守れずに迷惑をかけてしまい、殿下に呆れられてしまったわ……)
リゼットとの仕事を受けるときに交わしたアランとの約束を、守れなかったことは事実だ。
結果として倒れて意識を失い、アランや他の人たちに迷惑をかけることになってしまったのは自分の落ち度でしかなかった。
エレインは、自分の失態に恥じ入ると共に、アランに失望されたことが悲しくて泣きたくなった。
「でも……、私の価値はこれしかないので……」
(私からハーブを取ったら、なにも残らない)
これまでもそうだった。
家族や王太子だけじゃない、教会の人たちや領地の人たちもみんな、エレインではなくハーブを求めていただけ。
エレイン自身を求めてくれた人など、一人だっていない。
(リゼットさんだって、この力がなかったら私なんか見向きもしなかったはず……)
だから、殿下だってそうだと、エレインは決めつけて疑わない。
「どうか、お願いします……」
声を振り絞り懇願する。アランの方は見れなくて、俯いたまま。
このハーブティーを自分のために用意しようとしてくれたことが、嬉しくて。胸の奥からじわじわと温かな感情が込み上げてきた。
「あ、ありがとう、ございます……」
「もっと早く、こうなる前にケアすべきだったのに……。一足も二足も遅くなってしまってすまない。医師は過労だと言っていた。滋養のあるものを食べてよく休むようにと。だからしばらくは、ハーブのことはエクトルたちに任せて、安静にするように。いいね」
アランの言葉に、喜びから一転、エレインは冷や水を浴びせられたような気分に陥った。
「殿下にも、他のみなさんにも、ご心配とご迷惑をかけてしまって、本当に申し訳ありませんでした。でも、私はもう大丈夫ですので、仕事はこれまで通りできます」
「駄目だ。医師からも安静にするように言われている」
「ちゃんと休憩を取りながらやりますから、どうか」
「無理をしないという約束だっただろう」
食い下がるエレインに、アランが語尾を強めた。
怒鳴ったわけでもないのに、その声音から微かに怒気を感じてエレインは押し黙る。アランの顔を見れなくて視線を手元に落とす。膝の上の両手は、無意識のうちに拳を作り、爪が食い込むほどに強く握りしめていた。
(約束を守れずに迷惑をかけてしまい、殿下に呆れられてしまったわ……)
リゼットとの仕事を受けるときに交わしたアランとの約束を、守れなかったことは事実だ。
結果として倒れて意識を失い、アランや他の人たちに迷惑をかけることになってしまったのは自分の落ち度でしかなかった。
エレインは、自分の失態に恥じ入ると共に、アランに失望されたことが悲しくて泣きたくなった。
「でも……、私の価値はこれしかないので……」
(私からハーブを取ったら、なにも残らない)
これまでもそうだった。
家族や王太子だけじゃない、教会の人たちや領地の人たちもみんな、エレインではなくハーブを求めていただけ。
エレイン自身を求めてくれた人など、一人だっていない。
(リゼットさんだって、この力がなかったら私なんか見向きもしなかったはず……)
だから、殿下だってそうだと、エレインは決めつけて疑わない。
「どうか、お願いします……」
声を振り絞り懇願する。アランの方は見れなくて、俯いたまま。