用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
和やかな空気に割って入ったのは、アランだった。
「殿下」
走ってきたのだろうか、息を切らして焦った様子の彼は、陛下とエレインを交互に見てなにか言いたそうな顔をする。
「なんだアラン、そんなに慌てて」
「なんだじゃありません、先ぶれもなくエレインに会いに行くなんて! 非常識にもほどがあります」
「仕方ないだろう、いつまで経っても会わせてくれないお前が悪い」
「なっ、エレインはただでさえ忙しいんです。あなたの相手なんてしている暇はないんです。――エレイン、嫌なことはされてない?」
突然矛先を向けられて、エレインは驚きながらも「はい、大丈夫です。楽しくおしゃべりしていただけです」と笑顔で返す。
陛下はアランの失礼な質問に「心外だな」と肩をすくめた。
それだけのやり取りで、この二人の親密さが感じられて微笑ましい。
(私のことを気遣ってくれていたのかしら)
そう思うと、なんだか胸の奥にくすぐったさを感じる。
「今、私が作ったコーディアルシロップのジュースを飲んでいたんです。殿下もよければご一緒にいかがですか?」
「あ、あぁ、じゃぁせっかくだし、そうしようかな」
隣いい?とアランがエレインの隣に腰掛けようとすると、
「めー!」
とテオが声を上げた。頬っぺたをぷっくりと膨らませて、険しい目でアランをけん制している。
「っち!」
とテオは向かいに座る陛下の方を指さした。
どうやら、アランにあっちに座れと言っているようだ。
「テオ、エレインの隣に座るのくらい、許してくれてもいいんじゃないか?」
(まるで殿下が私の隣に座りたいって言っているように聞こえるのだけれど……)
さすがにそんなはずはないか、とエレインは自身の考えに内心で首を振る。
(陛下の隣に座るのが気が引けるのね、きっと)
「め!」
「……テオはエレインの膝の上という特等席にいるだろう。隣くらい許せ」
まだ眉間にしわを寄せて抗議しているテオにおかまいなしに、アランはそう言ってエレインの隣に座った。
テオはエレインの膝の上から手を伸ばして、アランの腕をぽかぽかと叩きだした。
「殿下」
走ってきたのだろうか、息を切らして焦った様子の彼は、陛下とエレインを交互に見てなにか言いたそうな顔をする。
「なんだアラン、そんなに慌てて」
「なんだじゃありません、先ぶれもなくエレインに会いに行くなんて! 非常識にもほどがあります」
「仕方ないだろう、いつまで経っても会わせてくれないお前が悪い」
「なっ、エレインはただでさえ忙しいんです。あなたの相手なんてしている暇はないんです。――エレイン、嫌なことはされてない?」
突然矛先を向けられて、エレインは驚きながらも「はい、大丈夫です。楽しくおしゃべりしていただけです」と笑顔で返す。
陛下はアランの失礼な質問に「心外だな」と肩をすくめた。
それだけのやり取りで、この二人の親密さが感じられて微笑ましい。
(私のことを気遣ってくれていたのかしら)
そう思うと、なんだか胸の奥にくすぐったさを感じる。
「今、私が作ったコーディアルシロップのジュースを飲んでいたんです。殿下もよければご一緒にいかがですか?」
「あ、あぁ、じゃぁせっかくだし、そうしようかな」
隣いい?とアランがエレインの隣に腰掛けようとすると、
「めー!」
とテオが声を上げた。頬っぺたをぷっくりと膨らませて、険しい目でアランをけん制している。
「っち!」
とテオは向かいに座る陛下の方を指さした。
どうやら、アランにあっちに座れと言っているようだ。
「テオ、エレインの隣に座るのくらい、許してくれてもいいんじゃないか?」
(まるで殿下が私の隣に座りたいって言っているように聞こえるのだけれど……)
さすがにそんなはずはないか、とエレインは自身の考えに内心で首を振る。
(陛下の隣に座るのが気が引けるのね、きっと)
「め!」
「……テオはエレインの膝の上という特等席にいるだろう。隣くらい許せ」
まだ眉間にしわを寄せて抗議しているテオにおかまいなしに、アランはそう言ってエレインの隣に座った。
テオはエレインの膝の上から手を伸ばして、アランの腕をぽかぽかと叩きだした。