ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
23.意外な助っ人
文官棟の長い廊下を、アリアは速足で歩いていた。
――目指すのは、宰相執務室。
ところがいくらノックしても返事はなく、しばらくして通りかかった当直の文官が申し訳なさそうに首を振った。
「グレイヴナー閣下は本日の閣議が長引いておりまして。ライナス筆頭秘書官も外回りの調査で戻りが遅れております」
「……そうなんですね…ありがとうございます」
(二人とも偽の硬貨のことで忙しいのかもしれない…)
固く閉じられた重厚な扉を前に、アリアはしばらく立ち尽くしていた。
アリアは無意識に手の中の手紙に視線を落とす。
――マルタユ帝国。
過去のループ、四度目の世界でエレナがスパイとされてしまったとき、きっかけになったのがこの書簡だった。
エレナが言語学に精通していることも裏目に出た。そして彼女自身まったく身に覚えのない罪で断罪されてしまったのだ。
それがいま、まったく同じようにエレナの元に届いた。
内容はマルタユの言語で書かれているから読めないけれど、過去と同じならエレナが帝国側と内通していることを疑わせるような内容に違いない。
(完全に……油断していた)
四回目と時期がずれていたせいで、このフラグの存在を忘れかけていた。
しかも今回は偽造硬貨事件なんて新たな陰謀まで重なっている。混乱の渦は明らかに大きくなっているのに、自分はまったく追いつけていない。
――目指すのは、宰相執務室。
ところがいくらノックしても返事はなく、しばらくして通りかかった当直の文官が申し訳なさそうに首を振った。
「グレイヴナー閣下は本日の閣議が長引いておりまして。ライナス筆頭秘書官も外回りの調査で戻りが遅れております」
「……そうなんですね…ありがとうございます」
(二人とも偽の硬貨のことで忙しいのかもしれない…)
固く閉じられた重厚な扉を前に、アリアはしばらく立ち尽くしていた。
アリアは無意識に手の中の手紙に視線を落とす。
――マルタユ帝国。
過去のループ、四度目の世界でエレナがスパイとされてしまったとき、きっかけになったのがこの書簡だった。
エレナが言語学に精通していることも裏目に出た。そして彼女自身まったく身に覚えのない罪で断罪されてしまったのだ。
それがいま、まったく同じようにエレナの元に届いた。
内容はマルタユの言語で書かれているから読めないけれど、過去と同じならエレナが帝国側と内通していることを疑わせるような内容に違いない。
(完全に……油断していた)
四回目と時期がずれていたせいで、このフラグの存在を忘れかけていた。
しかも今回は偽造硬貨事件なんて新たな陰謀まで重なっている。混乱の渦は明らかに大きくなっているのに、自分はまったく追いつけていない。