ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
「どうしました?」
「この紋章、見たことがあるんです。でも、それがどこでだったかずっと思い出せなくて……」
「君の最初の配属は洗濯場でしたね。その後は配膳室を経てから倉庫管理でしたか」
ライナスはふと懐かしげに微笑んだ。
「よく覚えてますね」
「閣下の命令で、人事局から君の資料を取り寄せましたからね」
くすりと笑いながら、片眼鏡がきらりと光る。
(倉庫……)
アリアの胸に、どくんと心臓の音が響いた。
自分のループの起点はいつも、エレナ嬢の部屋付きに任命された日。
けれど、その最初のループが始まる前。
王宮で勤め始めて三年目のとき、自分は王宮倉庫の担当をしていた。
あのころの記憶は、何度もループを重ねるうちにぼやけてしまって、忘れかけていたけれど――
まだ王宮の構造も、人間関係も、何ひとつ知らなかったころ。
雑用と整理に明け暮れていた日々。
薄暗い倉庫でひたすら棚卸ししていた、あの時間。
そのとき――偶然、開けてしまったのだ。
棚の隅で忘れられたように、まるで誰も触れたがらないような不気味さを纏った木箱を。
鍵は錆びついていて、蓋は重たかった。
長年降り積もった埃を払って、蓋をそっと開けたとき。
(そう……蓋の裏に、焼きごてで押したように刻まれていた紋章があった……)
その記憶が鮮やかに蘇った瞬間、パチンと何かが弾けた。
(……思い出した……!あの紋章が『ルガード家』の紋章だったんだ!)
どうして今まで思い出せなかったんだろう。
でも、記憶がよみがえった今なら、そのときの光景も不気味なほど静かな空気さえも、ありありと思い出せた。
「ライナスさん……」
アリアの声が震える。ようやく一つの線として繋がり始めていた。
「王宮の南にある物品保管庫は、今も残ってますか……?」
「この紋章、見たことがあるんです。でも、それがどこでだったかずっと思い出せなくて……」
「君の最初の配属は洗濯場でしたね。その後は配膳室を経てから倉庫管理でしたか」
ライナスはふと懐かしげに微笑んだ。
「よく覚えてますね」
「閣下の命令で、人事局から君の資料を取り寄せましたからね」
くすりと笑いながら、片眼鏡がきらりと光る。
(倉庫……)
アリアの胸に、どくんと心臓の音が響いた。
自分のループの起点はいつも、エレナ嬢の部屋付きに任命された日。
けれど、その最初のループが始まる前。
王宮で勤め始めて三年目のとき、自分は王宮倉庫の担当をしていた。
あのころの記憶は、何度もループを重ねるうちにぼやけてしまって、忘れかけていたけれど――
まだ王宮の構造も、人間関係も、何ひとつ知らなかったころ。
雑用と整理に明け暮れていた日々。
薄暗い倉庫でひたすら棚卸ししていた、あの時間。
そのとき――偶然、開けてしまったのだ。
棚の隅で忘れられたように、まるで誰も触れたがらないような不気味さを纏った木箱を。
鍵は錆びついていて、蓋は重たかった。
長年降り積もった埃を払って、蓋をそっと開けたとき。
(そう……蓋の裏に、焼きごてで押したように刻まれていた紋章があった……)
その記憶が鮮やかに蘇った瞬間、パチンと何かが弾けた。
(……思い出した……!あの紋章が『ルガード家』の紋章だったんだ!)
どうして今まで思い出せなかったんだろう。
でも、記憶がよみがえった今なら、そのときの光景も不気味なほど静かな空気さえも、ありありと思い出せた。
「ライナスさん……」
アリアの声が震える。ようやく一つの線として繋がり始めていた。
「王宮の南にある物品保管庫は、今も残ってますか……?」