ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
あまりにも唐突な告白に、頭が追いつかなかった。
戸惑うアリアの沈黙を破るように、ユーリは続ける。
「ルガード家は、鉱山と交易の要を一手に引き受けた一大勢力だった。それを五十年前にクラヴィス家の手によって潰された。領地も爵位も奪われた祖父は……家名と誇りを失い自ら命を絶った」
アリアの脳裏に、地下の保全区画で目にしたあの膨大な記録がよみがえる。
「当時子どもだった俺の母は、まだ監視が緩かったうちに何人かの従者とともに命からがら逃げた。そして、息をひそめながら庶民にまぎれて暮らした。そして…俺が生まれたんだ。奪われた家を取り戻す使命を持つ、ルガード家の最後の血を持ってな」
ユーリは一度目を伏せると、胸元から金色のペンダントを引き出して強くに握る。
そして再びアリアを見据えた瞳には、深い憎しみと静かな怒りが宿っていた。
「クラヴィス家に踏みにじられたすべてを、正すために生まれてきたんだよ、俺は」
「でも…っ、鉱山で強制的に働かせて利益を独占して、子どもまで労働力にしていたって記録も…」
「あそこは不毛の地だったんだ。畑も水もろくにない、鉱山採掘しか生きる術がなかった。だから祖父は、働くことで暮らしが成り立つように仕事を作り対価も払っていた」
「……偽物の通貨で?」
「偽物って言い方は気に入らない。これは祖父の希望だったんだから」
ユーリはポケットの中から取り出したコインを、指で弾く。
ルガード家の紋章が刻まれた、あの硬貨だ。
「鉱山資源を利益として交易ルートを築く。そしてフェルディア王国に依存しない経済を作り、西部を独立させる……そのための通貨だった」
「そんな……」
「祖父がやろうとしていたことが罪なら、西部の人々に満足な暮らしを与えられなかった王政そのものが罪だと思わない?」
アリアは言葉を詰まらせるしかなかった。
ライナスが言っていた通り、本当に独自の経済圏を築こうとしていた。それこそまぎれもない反逆罪だ。
でもルガード家の人々はそれを『善』と捉えている――目の前のユーリも含めて。
五十年前の葬られた出来事。
何が真実で何が正しいのか、アリアには絶対的なことは言えなかった。
「でも、それで……」
アリアの声がかすれる。
「それで、エレナ様まで……罪のない人たちを巻き込んでいいの?」
「罪がない?」
ユーリが、わずかに口角を上げる。
「クラヴィス家は俺たちを踏みにじった家系だ。その娘が、王宮で何も知らない無垢な顔をして王太子妃になろうとしている。それを黙って見てろって?」
ユーリの瞳が、一瞬きらめいた。
「王政とクラヴィス家に踏みにじられた家を取り戻す――それが俺の使命なんだ。だからこそ、何度でもやり直した。何度でも繰り返して正しい結末を選ぶために」
「……繰り返す?」
その言葉に、アリアの瞳が大きく揺れた。
ユーリはその表情を見て確信を得たように笑みを浮かべ、アリアを見下ろした。
「やっぱりな。アリアも同じなんだろ?」
戸惑うアリアの沈黙を破るように、ユーリは続ける。
「ルガード家は、鉱山と交易の要を一手に引き受けた一大勢力だった。それを五十年前にクラヴィス家の手によって潰された。領地も爵位も奪われた祖父は……家名と誇りを失い自ら命を絶った」
アリアの脳裏に、地下の保全区画で目にしたあの膨大な記録がよみがえる。
「当時子どもだった俺の母は、まだ監視が緩かったうちに何人かの従者とともに命からがら逃げた。そして、息をひそめながら庶民にまぎれて暮らした。そして…俺が生まれたんだ。奪われた家を取り戻す使命を持つ、ルガード家の最後の血を持ってな」
ユーリは一度目を伏せると、胸元から金色のペンダントを引き出して強くに握る。
そして再びアリアを見据えた瞳には、深い憎しみと静かな怒りが宿っていた。
「クラヴィス家に踏みにじられたすべてを、正すために生まれてきたんだよ、俺は」
「でも…っ、鉱山で強制的に働かせて利益を独占して、子どもまで労働力にしていたって記録も…」
「あそこは不毛の地だったんだ。畑も水もろくにない、鉱山採掘しか生きる術がなかった。だから祖父は、働くことで暮らしが成り立つように仕事を作り対価も払っていた」
「……偽物の通貨で?」
「偽物って言い方は気に入らない。これは祖父の希望だったんだから」
ユーリはポケットの中から取り出したコインを、指で弾く。
ルガード家の紋章が刻まれた、あの硬貨だ。
「鉱山資源を利益として交易ルートを築く。そしてフェルディア王国に依存しない経済を作り、西部を独立させる……そのための通貨だった」
「そんな……」
「祖父がやろうとしていたことが罪なら、西部の人々に満足な暮らしを与えられなかった王政そのものが罪だと思わない?」
アリアは言葉を詰まらせるしかなかった。
ライナスが言っていた通り、本当に独自の経済圏を築こうとしていた。それこそまぎれもない反逆罪だ。
でもルガード家の人々はそれを『善』と捉えている――目の前のユーリも含めて。
五十年前の葬られた出来事。
何が真実で何が正しいのか、アリアには絶対的なことは言えなかった。
「でも、それで……」
アリアの声がかすれる。
「それで、エレナ様まで……罪のない人たちを巻き込んでいいの?」
「罪がない?」
ユーリが、わずかに口角を上げる。
「クラヴィス家は俺たちを踏みにじった家系だ。その娘が、王宮で何も知らない無垢な顔をして王太子妃になろうとしている。それを黙って見てろって?」
ユーリの瞳が、一瞬きらめいた。
「王政とクラヴィス家に踏みにじられた家を取り戻す――それが俺の使命なんだ。だからこそ、何度でもやり直した。何度でも繰り返して正しい結末を選ぶために」
「……繰り返す?」
その言葉に、アリアの瞳が大きく揺れた。
ユーリはその表情を見て確信を得たように笑みを浮かべ、アリアを見下ろした。
「やっぱりな。アリアも同じなんだろ?」