ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
4.推しが尊すぎて尋問中だということを忘れた
数日後の午後。
文官たちの姿が少なくなる南回廊を、アリアは書類を抱えて歩いていた。
(次はエレナ様にこれを届けて、そのあと控え室に戻って……)
そう思考を巡らせていたところに、ふいに前方から現れた人物と目が合う。
「君がアリア・セルフィアだな?」
「……っ!?」
一瞬、誰かの名前を聞き間違えたかと思った。
黒の礼服に身を包み細部にまで乱れのない完璧な身なり。どこからどう見ても、隙のない上級閣僚そのものの佇まいだった。
アリアは反射的に足を止める。
「……申し訳ございません、どちら様でしょうか…?」
「第一宰相セドリック・グレイヴナーだ」
『ほら、急遽新しい宰相様が来ることになったじゃない?セドリック・グレイヴナー第一宰相』
先日、配膳室で耳にした名前を思い出す。
(宰相閣下…この人が…!?)
動揺で胸がドクンと跳ねる。
過去の四回のループでは、王宮にグレイヴナー宰相という人物は存在しなかった。そしてこの顔にも見覚えはない。
(なのに今回、いきなり……!?)
この男は、五回目にして現れたイレギュラーだった。
これまでの宰相はもっと高齢の文官が務めていて、政務にはあまり口を出さず儀礼に従って座していたと聞いている。
(まさかこんなところで遭遇するなんて、というよりなんで私の名前を知ってるの…!?!?)
文官たちの姿が少なくなる南回廊を、アリアは書類を抱えて歩いていた。
(次はエレナ様にこれを届けて、そのあと控え室に戻って……)
そう思考を巡らせていたところに、ふいに前方から現れた人物と目が合う。
「君がアリア・セルフィアだな?」
「……っ!?」
一瞬、誰かの名前を聞き間違えたかと思った。
黒の礼服に身を包み細部にまで乱れのない完璧な身なり。どこからどう見ても、隙のない上級閣僚そのものの佇まいだった。
アリアは反射的に足を止める。
「……申し訳ございません、どちら様でしょうか…?」
「第一宰相セドリック・グレイヴナーだ」
『ほら、急遽新しい宰相様が来ることになったじゃない?セドリック・グレイヴナー第一宰相』
先日、配膳室で耳にした名前を思い出す。
(宰相閣下…この人が…!?)
動揺で胸がドクンと跳ねる。
過去の四回のループでは、王宮にグレイヴナー宰相という人物は存在しなかった。そしてこの顔にも見覚えはない。
(なのに今回、いきなり……!?)
この男は、五回目にして現れたイレギュラーだった。
これまでの宰相はもっと高齢の文官が務めていて、政務にはあまり口を出さず儀礼に従って座していたと聞いている。
(まさかこんなところで遭遇するなんて、というよりなんで私の名前を知ってるの…!?!?)