ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
 一度目は毒。二度目は事故。三度目は冤罪。そして四度目の今回は――罠だった。

 エレナ嬢を失うたびに、ミカエル殿下は闇落ちしてしまう。
 絶望し自暴自棄になった殿下は自分と対立する勢力を王宮から追放し、強権的な暴政を敷く。そして、怒りが頂点に達した民衆は武装蜂起して立ち上がる――いわゆる市民革命だ。

 そしてこの国は、王政ごと倒されてしまう結末を迎える。

 アリアの前に捕まっていた一人が、引きずられるようにして処刑台へと連れて行かれる。手足は縛られ、その横顔は薄く(すす)や血で汚れていた。

 (あの人の次は、私の番だ……)

 民衆にとって、王宮に仕えていた人間は全員敵だ。
 それは、一介のメイドであるアリアもまた例外ではなかった。

 髪を掴まれて、引っ張られるように断頭台へ。

 ただ、敬愛するエレナ嬢を守りたかった。
 過去の経験(ループ)を活かせたと思っていたのに、また駄目になってしまった。

 ミカエル殿下と、今回こそ幸せになってもらいたかったのに。

 (……でも……もう一度……やり直せるなら……)

 そう願った瞬間、視界が暗転した。
 まるで、舞台の幕が静かに閉じるように。

 そして、時間が巻き戻っていく――

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