ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
(はっ……!?いま気になってるって言いました!?え、えええ、誰が!?誰を!?違う違う、そういうフラグはいらないんですって…!!)

 相手はこの国の第一宰相。王政を支える筆頭閣僚でとんでもなく優秀だと噂されるような人。かたや自分はただのメイドで、地位も家柄もまったく釣り合わない。

 社会的にも身分的にも『そんなこと』が成立するわけがないのだ。
 ということはつまり――

(毒針ブローチの件、やっぱり私が怪しまれてる!?)

 過去のループでは、あの件はどちらかといえばお手柄として評価された。よく気づいたと褒められることはあっても、ここまで探るような目を向けられたことはない。

 それだけに、今回の流れは想定外だった。

(どう対処するのが正解なのかが分からない……!)

「……っ、あの、用件が済んだのでしたらそろそろ失礼させていただきたいのですが…?」

 必死に笑顔を作って頭を下げながらも、早くこの空間から出たい気持ちでいっぱいだった。そんなアリアの様子を、セドリックは黙って見つめている。

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