ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
「ところで、立てるか?」

「……っ、あ……」

 立ち上がろうとするも、ガクンと膝から力が入らない。
 痛いとかそんな感覚よりもただただ、全身から力が抜けていた。

 そんなアリアを、セドリックは静かに見下ろすと、ふっと一言。

「立てそうにないな」

「え、いえ、大丈……」

 言い切るより早く、視界がふわりと浮かんだ。

「ひゃっ……!?」

 セドリックは一切のためらいなく、彼女の身体を軽々と抱き上げていた。不意に襲った浮遊感にアリアは思わず短く悲鳴を上げる。

「ちょ…っ、待ってくださいっ!自分で歩けますから……っ!」

「おとなしくしていろ。いま暴れるのは得策じゃない」

「で、でも、サロンが……!」

「立てないのに戻っても仕方がないだろう?」

「うっ、それはそうですけど…っ」

「俺の今日の目的は達成した。ああいう場はもともと性に合わない」

 もがこうとするもセドリックの腕は揺るがない。
 どこまでも淡々と、しかし迷いのない足取りでアリアを運んでいく。

(だ、誰かに見られたら誤解される……!!というか私が混乱する!!)

 アリアは必死に心の中で叫びながらも、腕の中から抜け出すことはできなかった。

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