ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
13.甘くいじわるな尋問
 セドリックの声は落ち着いていて、けれどどこまでも鋭く真剣だった。

 (顔が近い…!っていうか距離が近すぎる…!!)

 アリアは思わず反射的にのけぞる。
 けれどここはベッドの上、逃げ場はなんてない。

「えっと…み、見たことのない人だったので……」

「君は去年の春まで備品倉庫担当だろう?それなのに来賓の顔をすべて覚えているのか?」

 その問いにアリアの心臓がばくばくと音を立てた。

(そ、それは……それは……!)

 そう問われてしまうと説明できるはずがない。

 だって本当は五回目の人生の記憶で動いているのだから。

「君はいったい何を知っている?」

 蒼玉色の瞳が鋭くアリアを射抜いた。

「毒針入りのブローチといい、ラヴィニア侯爵家からの招待状の件といい、知り得ないことを知っている者の動きだ。二度までは偶然で済ませても、三度目ともなれば……そうはいかない」

 声も出せないほどの空気の中で、セドリックはじりじりと距離を詰める。

「君は…何を隠している?」

(どうしよう、どうすればいいの……)

 まっすぐに見つめられて、アリアは視線を逸らすことができなかった。

 呼吸もできないほどの距離。
 彼の手がベッドにかかる位置からは、いつでも体を包み込める。

 けれど、セドリックはそれ以上は近づかない。
 その絶妙な距離感が、逆にアリアの心をざわつかせる。

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