ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
「……答えられないか」

 冷たいわけではないけれど逃げ道を塞ぐような声。

 それがまたアリアの鼓動を強くさせる。
 言葉が喉の奥でつかえて出てこない。 

「じゃあ、こうしようか」

 セドリックは沈黙を破ると、アリアとの距離をさらに詰める。

「君が誰かの指示で動いているようにも見えない。動機も、感情も、すべてが()()()()で動いている」

 一拍置いて、セドリックの瞳がすっと細められる。

「でも言葉で語れないのなら――君の反応から探るしかない」

 アリアの顎に、指がそっと添えられた。
 花びらを指で触れるときのような、繊細で包み込むような動き。

 拒絶を許さない触れ方に、アリアは思わず息をのむ。

 そして、指先に軽く力が込められて、顎がそっと引き上げられる。

「っ……」

 否応なく、まっすぐにセドリックの視線とぶつかった。

 蒼玉のように澄んだ、その奥に熱を孕んだ瞳。
 見つめられるだけで、心の奥を見透かされるような気がして、アリアは動けなかった。

「……っ……!」

 そのまま、彼の指先がすっと頬をなぞった。
 逃げる隙すら与えられないほどの距離で、意図的に柔らかく頬を滑る。

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