ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
 ふと視線を上げれば、蒼玉の瞳が真っ直ぐに自分を見つめていた。
 呼吸がかすかに重なり合うほどの至近距離に、息が止まりそうになる。

(近い、近すぎる……!!)

「あのっ、すみませんっ、今のは完全に事故で!!」

 飛び込んでしまったセドリックの胸から立ち上がって、急いで元の席に座り直す。
 それでも、まだ心臓はバクバクと音を立てていた。

「今日の君はやけに動揺するな」

「そ、そんなこと……!」

「顔が真っ赤だが」

「気のせいですっ!!」

 ぷいと顔を逸らすも、その耳も見事なまでに熱くなっていた。
 そんなアリアの様子をセドリックは横目で見ながら、ふっと小さく息を吐いた。

「……相変わらず、分かりやすい」

「なんか今、失礼なこと言われた気がするんですけど!?」

「褒め言葉のつもりだったが」

 アリアの反応に、セドリックはふっと口元だけで笑う。
 正面からじっと見つめられる視線の強さに、アリアの心拍数はさらに爆上がりするのだった。


< 78 / 167 >

この作品をシェア

pagetop