ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
* * *
商人たちの店がひしめく、活気ある通りの一角。
その中にあっても、セドリック・グレイヴナーの存在感は際立っていた。
ひとつひとつの店に立ち寄るたびに、店主たちはピンと背筋を伸ばして深々と頭を下げる。けれどそれは恐れからではなくて、敬意と信頼によるものだというのは彼らの眼差しを見れば明らかだった。
「昨年の記録と照らし合わせると、物価が一割上がっているようだが?」
「はい、宰相閣下。冬の間の輸送路と燃料が──」
「ならば物流税の見直しが必要か。関税の報告をすぐに上げてくれ」
セドリックの言葉は、どれも簡潔で的確だった。
ただ命令するだけではない。店主たちの返答にしっかり耳を傾けて必要な対応をその場で即断即決していく。辺りからは「新しい宰相様は頼りになる」なんて声も聞こえてくる。
少し後ろからその光景を見守っていたアリアは『この人が本当に国を動かしているんだ』と、改めて実感していた。
「……本当に、すごい……」
(普段は理屈っぽかったり、皮肉を言ってからかってばかりなのに……)
日次報告のときの、少し砕けた雰囲気のセドリックとは全然違う。
サロンのときの正装姿もドキドキしたけれど、今目の前にいるのは、まぎれもなくこの国を支える頭脳そのもので。
(……すごく優秀だってことも、最年少宰相だってことも知ってたけど……)
商人たちの店がひしめく、活気ある通りの一角。
その中にあっても、セドリック・グレイヴナーの存在感は際立っていた。
ひとつひとつの店に立ち寄るたびに、店主たちはピンと背筋を伸ばして深々と頭を下げる。けれどそれは恐れからではなくて、敬意と信頼によるものだというのは彼らの眼差しを見れば明らかだった。
「昨年の記録と照らし合わせると、物価が一割上がっているようだが?」
「はい、宰相閣下。冬の間の輸送路と燃料が──」
「ならば物流税の見直しが必要か。関税の報告をすぐに上げてくれ」
セドリックの言葉は、どれも簡潔で的確だった。
ただ命令するだけではない。店主たちの返答にしっかり耳を傾けて必要な対応をその場で即断即決していく。辺りからは「新しい宰相様は頼りになる」なんて声も聞こえてくる。
少し後ろからその光景を見守っていたアリアは『この人が本当に国を動かしているんだ』と、改めて実感していた。
「……本当に、すごい……」
(普段は理屈っぽかったり、皮肉を言ってからかってばかりなのに……)
日次報告のときの、少し砕けた雰囲気のセドリックとは全然違う。
サロンのときの正装姿もドキドキしたけれど、今目の前にいるのは、まぎれもなくこの国を支える頭脳そのもので。
(……すごく優秀だってことも、最年少宰相だってことも知ってたけど……)