ここが乙女ゲームの世界でも好きにさせてもらいます!
「……なにが、起きたのかしら」
音楽はわからないが、なにかがはずれた音は本自体から聞こえた気がする。
「……あっ。このボタンのページ、浮き上がっています!」
よく見ると、確かにさっきまで箱状にくっついていた木板が剥がれたように隙間ができている。
木板は意外と薄く、ジーナはそれを注意深くゆっくり持ち上げた。
「……あ」
そこにあったのは、一枚の絵だった。
上部には『ヴァレンティルの花へ』の文字。その下には女性三人、男性二人の絵が描かれている。
「これがレイズの言っていた『ヴァレンティルの花へ』なのかしら……」
絵をもう一度見直してみると、右上に小さく『恋愛シミュレーションゲーム』と書かれていた。
「エレノアお嬢様、この方はもしかしたらレイラ様ではないですか?」
ジーナはそう言って右側に描かれていた女性を指差した。
「……確かに、そうね」
ホワイトブロンズの髪や目の色、着ているドレスから考えてもレイラに間違いなさそうだ。
「よく見ると、この真ん中の男性はクリストフ様だわ。王家の紋章が胸にあるもの」
「……あれ? まだ下になにかありますね」
ジーナが紙をめくると、下からも数枚、絵が出てきた。