ここが乙女ゲームの世界でも好きにさせてもらいます!

「この二枚目の絵のうしろに小さく描かれているのは、エレノアお嬢様のように見えます。その横はおそらく旦那様と奥様ですね」

エレノアが目を凝らしてみると、ジーナがいうように祖母からもらったグリーンのドレスを着た自分と、両親のように見える。

「ええと……“水と緑豊かな国、ヴァレンティル。王都で運命的に出会い、素敵な日々を重ねて、麗しの王子様と結ばれるのは誰――”っ下に書かれているわね……」

ほかに『キャラクター設定』というものもあり、その中の一枚にはレイラのフルネームと肖像画、うしろには小さくエレノアと両親が描かれていた。

「これは説明文かしら。『不運な事故を気の毒に思い、小さい頃から両親と姉のエレノアに溺愛されたがゆえに、(いささ)か我儘に育ってしまったお嬢様。愛らしい見た目と明るい性格が魅力。最初はヒロインの恋を邪魔する存在だが、二周目からはヒロインとして選択できるようになる』って……」

最後の文はともあれ、これは明らかにカートライト家を知る人物が書いた文章だ。
エレノアは頭の整理が追いつかず、言葉を失う。

その傍らで、ジーナはエレノアが持っていた絵と棚に置いていた絵をすべて集め、本の中に収めていた。

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