断罪令嬢、証拠品がアレでしたわ!
 お姉さまの話によると——
 相手はセレスティア王立学院の侯爵家のレオン様だという。 

 舞踏会の夜に出会い、何度かお会いするうちに惹かれ合っていったのだそうだ。
 彼は優しく、紳士的で、いつもお姉さまを気遣ってくれた。
 そうして逢瀬を重ねるうちに、気づけば心だけでなく身体までも許してしまった——。

 それは、愛の証だと信じて疑わなかった。
 お姉さまは彼の言葉ひとつ、微笑ひとつが真実だと信じきっていたのだ。

 ある夜。
 お姉さまは思い切って尋ねたのだという。

 『いつ婚約の申し込みをしてくださるの?』

 返ってきたのは、あまりにも冷たい言葉だった。

 『勘違いさせたようだね。君とは遊びで、本命は他にいる』

 お姉さまはそこまで言うと両手で顔を覆い、声を詰まらせた。

 「そんな……!!」
 胸の奥が、ぐつぐつと煮えたぎるように熱くなる。

 「なんというスケコマシのすっとこどっこいですの……!」
 思わず立ち上がったわたくしの声が、部屋に響いた。
 「学院にそんな悪党がいるなんて! レオンめっ!! ゆるせませんわあああ!!」
 
 お姉さまが目を丸くされる。
 それでも、止まらなかった。
 「あんな“女性に興味がない”なんて孤高のヒーロー気取りで、裏ではそんな真似を!?なんてふてぶてしいのでしょう!」

 わたくしは息を整え、拳を固く握りしめる。
 「お姉さま、わたくし——お姉さまの復讐をしてさしあげますわ!!」

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