断罪令嬢、証拠品がアレでしたわ!
 季節は流れ、学院は卒業舞踏会の話題で持ちきりになった。
 どこの仕立て屋にドレスを注文しただの、どの貴族家の令息に誘われただの——
 廊下のあちこちで、令嬢たちの楽しげな笑い声が響く。

 そんな中、驚くべき出来事が起こった。

 ——レオン様が、わたくしを舞踏会のパートナーにと誘ってくださったのだ。

 あの“氷のレオン様”が、誰かを誘うなど前代未聞。
 周囲は騒然となり、友人たちは口々に羨ましがった。

 けれど、わたくしは——断った。

 お姉さまを苦しめた男と、誰が踊るものですか。
 それが建前。

 本音は……もう、これ以上、惹かれていくのが怖かったから。

 彼の手の温もりを、まだ忘れられずにいたのだ。

(これでいいんですわ。復讐を完遂して、お姉さまの無念を晴らして……
 そして、この気持ちも終わらせるのですわ)

 わたくしは心を固め、卒業舞踏会の“断罪”に向けて着々と準備を進めていった。
 

 
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