「庭の千草」狂詩曲
ブルームは詩月の腕をふわふわした手で、自分の頭の下へ誘導し、枕にした。

「ここで寝ようとしているのか」

詩月が呆れて言うと、今度は「ニャン」と鳴いた。

詩月が体を撫でても逃げようとはしない。

喉を鳴らして詩月の顔に頭を擦り寄せてくる。

ーー暖かい

腕の中にすっぽりと収まる大きさの猫だ。

横浜で飼っている猫を思い出した。

ブルームの体温が、腕に伝わる。

ブルームが落ちこんだ気持ちを慰めにきたように感じた。

詩月はブルームをそっと抱きしめた。
< 30 / 359 >

この作品をシェア

pagetop