「庭の千草」狂詩曲
詩月は辺りをくるりと見回したが、詩月だと気づいている気配は感じられなかった。

「そっちの病院は宗月さんのマネジャーが規制していたんじゃないのか? 何で漏れているんだ」

「ネタの出所(でどころ)は判っていないんだろ? 父さんやマネジャーからは未だ何も、連絡も指示も来ていない。スマホの着信がリハビリをしている間にやたら来ていて……」

「そりゃそうだろ」

「安坂さんや緒方、千住小百合、XCEON からも」

「そっちは俺から話す」

「うん。父さんはたぶん、退院するまで動かないと思う。マネジャーが色々調べたり対応しているんだと思うけど」

「そうか。とにかく詩月ーー」

「理久、無理に隠そうとする方が不自然だよ。実際、事実なんだ。バレたならバレたで」

「とにかく、ネタのためなら何でもする輩が多いし容赦ないと思うから、気をつけろよ」

「わかった」
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