「庭の千草」狂詩曲
「ありがとう」

「礼を言うのは、まだ早い。ファイナルが終わるまでは気を抜けない」

今から1次が始まる時に、既にファイナルを見据えている。

その場、その場の流れに一喜一憂しない。

目標はあくまでも優勝だということを気負わず、確認させる。

やる気にさせるのが上手い。

「不安な箇所はちゃんと楽譜を確認して。大丈夫だと思うけれど」

この3ヶ月。

先生の指導や指示を噛み砕き、宗月と徹底的に練習してきた。

宗月が居ない時にはエィリッヒがピアノ伴奏をした。

先生の体調が良くない時には、ユリウスが練習に付き合ってくれた。

大学院に進学したユリウスとエィリッヒは、教える側になるようだ。

彼らとの練習はなかなかに手厳しかった。

ユリウスとエィリッヒが会場に着いたのは、出番の30分前だった。

コンテスタントが入れ替わる合間。

「教授を頼む」
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