「庭の千草」狂詩曲

chapter 2ーー宗月side/セミファイナル

クレアは無事に1次審査を通過した。

クレアの実力なら、1次審査通過は通過点に過ぎない。

俺はクレアの実力は、こんなものではないと思っている。

俺が思う限り、クレアの後に演奏したコンテスタントの演奏に、クレアを越える演奏をした奏者はいなかった。

それが例え、クレアの演奏を聴いて後に続く奏者が調子を崩したのだとしても、それはクレアのせいではない。

断じて、クレアの弾くヴァイオリン、ガダニーニの「シレーナ」という楽器のせいではない。

「2次審査の評価は1次よりも辛くなるだろう」

ダフィット教授は顔を曇らせた。

楽器の特異性を理由に評価が左右されるとしたら、それは平等とは言えない。

俺はダフィット教授に言ったが、ダフィット教授の表情は暗いままだった。

恐らく、クレアが今まで出場したコンクールの評価も偏見に満ちたものだったのだろう。
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