「庭の千草」狂詩曲
「未だ、気を抜けないわ。次はファイナルーー」

ダフィット教授はクレアの隣で、クレアの言葉に頷いた。

教授はユリウスとエィリッヒに支えられ、やっと立っていた。

言葉は要らないと思った。

ーークレア、今日はゆっくり休んで。指をしっかり労って。明日は無理せず、曲をさらう程度に

教授とクレア、見つめ合った目が全てを伝えていた。

「教授は俺たちが送っていく」

ユリウスとエィリッヒが名乗りを上げた。

ユリウスとエィリッヒはダフィット教授の自宅に3日前から、交替で付き添っていた。

ダフィット教授の家政婦は通いで、朝は9時に出勤し、夜は19時には帰ってしまう。

いつでも病院と連絡が取れるようにとの体制は、しておいた方がよいとの判断だ。

クレアもそれを察しているのか、心配顔だった。

「クレア、行きなさい。私は大丈夫だ」

クレアは教授の言葉に、やっと微笑んだ。
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