「庭の千草」狂詩曲

chapter3ーークレアside/ファイナル

ユリウスから、先生がホスピスへの入所手続きをしていることを聞いた。

入所施設は用途を問わず、個人情報保護もあり何処も面会時間や面会者が制限されている。

家族以外の面会ができない施設もある。

祖母のいる老人養護施設は、週2回1時間ほどの面会しかできない。

祖母の使用済の下着や部屋着、タオルなどを持ち帰り、洗って持っていく。

他にはかかりつけ医の診察を受けさせに行く時くらいだ。

先生と自由に会えなくなると思うと寂しかったし、もうそんなに良くない状態なんだなと思った。

宗月に大学の寮へ送ってもらいながら、先生は大丈夫なのか。

そればかり考えていた。

わたしには祖母以外の身内がいない。

先生はわたしにとって身内も同然で、先生のいない未来がくることなど、考えたくない。

「クレア。コンクールが終わったら、ちゃんと指の状態を調べてもらったほうがいい」
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