嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
寝返りひとつ打つにも気を遣う。横にジークヴァルトが寝ているならば尚さらだ。こんなことまで言わされて、恥ずかしさで顔を覆った。手首をつかまれ、その手はすぐにはがされた。間から顔が近づいてきて、唇をやさしく啄ばまれる。
「理由はそれだけか?」
頷くと、あからさまにほっとした顔をされた。
「ならば却下だ。気にするほどのことはない」
「ですが」
「駄目だ。問題ない。オレもお前に何もしない。いいから今夜もここで寝ろ」
矢継ぎ早に言われ、リーゼロッテは気押されるまま首を縦に振った。ぎゅっと抱きしめられたかと思うと、横抱きに抱えあげられた。寝台に寝かされて、その横にジークヴァルトも滑り込んでくる。
上かけのリネンでリーゼロッテの首もとを丹念に覆うと、いつも以上に慎重に抱き寄せられた。やさしく頭をなでられて、ものすごく気を遣われているのが伝わってくる。
「リーゼロッテ……本当につらくはないのか?」
「はい、大丈夫ですわ」
「だが薬湯を飲むくらいだ。隠さずに本当のことを言え」
その口調は限りなく尋問に近い。なのにリーゼロッテの口元に笑みがこぼれてしまった。
「あったとしても、腰が多少だるいくらいです。薬湯がよく効いていますから」
「だるい? 何かしてほしいことはないのか?」
なおも食い下がるジークヴァルトの胸元に顔をうずめて、小さく首を傾ける。こうして抱きしめられているだけで、もう十分なような気がした。
「何かあるだろう? 遠慮せずに言ってみろ」
「そう、ですわね……腰のあたりをさすっていただけると、もっと楽になるかもしれません」
言い終わる前に腰に手を当てられた。労わるようにゆっくりと丁寧に撫でられる。
「こうか?」
「はい……とても気持ちいいですわ」
本当に心地よくて、うっとりと微笑んだ。なんだか眠くなってきて、起きていようと思ってもいつの間にか瞼が閉じてしまう。
「薬湯が効いているんだろう。無理せず眠れ」
「はい、おやすみなさいませ、ヴァルトさま……」
まどろみの中、そっと口づけられる。久しぶりの穏やかな眠りに、あっという間にリーゼロッテは深く沈んでいった。
「理由はそれだけか?」
頷くと、あからさまにほっとした顔をされた。
「ならば却下だ。気にするほどのことはない」
「ですが」
「駄目だ。問題ない。オレもお前に何もしない。いいから今夜もここで寝ろ」
矢継ぎ早に言われ、リーゼロッテは気押されるまま首を縦に振った。ぎゅっと抱きしめられたかと思うと、横抱きに抱えあげられた。寝台に寝かされて、その横にジークヴァルトも滑り込んでくる。
上かけのリネンでリーゼロッテの首もとを丹念に覆うと、いつも以上に慎重に抱き寄せられた。やさしく頭をなでられて、ものすごく気を遣われているのが伝わってくる。
「リーゼロッテ……本当につらくはないのか?」
「はい、大丈夫ですわ」
「だが薬湯を飲むくらいだ。隠さずに本当のことを言え」
その口調は限りなく尋問に近い。なのにリーゼロッテの口元に笑みがこぼれてしまった。
「あったとしても、腰が多少だるいくらいです。薬湯がよく効いていますから」
「だるい? 何かしてほしいことはないのか?」
なおも食い下がるジークヴァルトの胸元に顔をうずめて、小さく首を傾ける。こうして抱きしめられているだけで、もう十分なような気がした。
「何かあるだろう? 遠慮せずに言ってみろ」
「そう、ですわね……腰のあたりをさすっていただけると、もっと楽になるかもしれません」
言い終わる前に腰に手を当てられた。労わるようにゆっくりと丁寧に撫でられる。
「こうか?」
「はい……とても気持ちいいですわ」
本当に心地よくて、うっとりと微笑んだ。なんだか眠くなってきて、起きていようと思ってもいつの間にか瞼が閉じてしまう。
「薬湯が効いているんだろう。無理せず眠れ」
「はい、おやすみなさいませ、ヴァルトさま……」
まどろみの中、そっと口づけられる。久しぶりの穏やかな眠りに、あっという間にリーゼロッテは深く沈んでいった。