嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「ベッティが安心して生きていける、そんな場所を探すんだ」
「わたしが安心して生きていける場所ぉ……?」
「そう。約束できる?」
戸惑ってカイを見た。ベッティにしてみれば、ここがもうそんな所になっていたから。
「いつかオレはこの世から消える。このままデルプフェルト家にいてもいいけど、オレがいなくなったら父上にいいように使われるよ?」
「カイ坊ちゃまが消えていなくなる……? そりゃ誰でもひとはいつかは死にますけどぉ」
「そういうことじゃないんだ」
小さく笑みを浮かべると、カイはどこか遠くを見やった。
「オレはいずれ星に堕ちるから」
まったく意味が分からなかった。だがカイのただならない様子に、それ以上何も問えなくなる。
「……分かりましたぁ。それに期限はありますかぁ?」
「オレが消えるのは明日かもしれないし、十年後かもしれない。それまでに行き先を決めてくれると、オレも安心できるかな?」
「安心、ですかぁ?」
「そう、可愛い妹の行く末だからね」
ふっとやさしい笑顔になって、カイは頭をいい子いい子と撫でてくる。ベッティのほっぺたが、驚きでぷっと大きく膨らんだ。熟れたビョウのように、そこは真っ赤に染まっている。
「はは、ベッティ、すごく変な顔になってるよ」
出会った当初、カイは全く笑わない少年だった。誰に対しても冷めた視線を向けていて、ベッティに会う時も、琥珀の瞳は変わらず冷たい色を放っていた。
それがいつからだろうか? 処世術のように、カイは頻繁に笑うようになった。その笑顔が偽りの仮面であることを、ベッティはよく知っている。
そんな中ベッティにだけ、カイは素の笑顔を時折くれた。そのことがどうにもうれしくて仕方がない。
「わたしが安心して生きていける場所ぉ……?」
「そう。約束できる?」
戸惑ってカイを見た。ベッティにしてみれば、ここがもうそんな所になっていたから。
「いつかオレはこの世から消える。このままデルプフェルト家にいてもいいけど、オレがいなくなったら父上にいいように使われるよ?」
「カイ坊ちゃまが消えていなくなる……? そりゃ誰でもひとはいつかは死にますけどぉ」
「そういうことじゃないんだ」
小さく笑みを浮かべると、カイはどこか遠くを見やった。
「オレはいずれ星に堕ちるから」
まったく意味が分からなかった。だがカイのただならない様子に、それ以上何も問えなくなる。
「……分かりましたぁ。それに期限はありますかぁ?」
「オレが消えるのは明日かもしれないし、十年後かもしれない。それまでに行き先を決めてくれると、オレも安心できるかな?」
「安心、ですかぁ?」
「そう、可愛い妹の行く末だからね」
ふっとやさしい笑顔になって、カイは頭をいい子いい子と撫でてくる。ベッティのほっぺたが、驚きでぷっと大きく膨らんだ。熟れたビョウのように、そこは真っ赤に染まっている。
「はは、ベッティ、すごく変な顔になってるよ」
出会った当初、カイは全く笑わない少年だった。誰に対しても冷めた視線を向けていて、ベッティに会う時も、琥珀の瞳は変わらず冷たい色を放っていた。
それがいつからだろうか? 処世術のように、カイは頻繁に笑うようになった。その笑顔が偽りの仮面であることを、ベッティはよく知っている。
そんな中ベッティにだけ、カイは素の笑顔を時折くれた。そのことがどうにもうれしくて仕方がない。