嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
◇
今回の旅はこれといって収穫がなかった。自分と対の託宣を受けた人間は、いまだ行方知れずのままだ。
こんがり亭に着くと、雇われ店主のダンがにたりと笑顔を向けてきた。スキンヘッドに体のいたるところに走る刀傷、年中タンクトップ姿のダンは、相変わらずの殺し屋フェイスだ。
「これはカイ坊ちゃん。随分と久しぶりでやすな」
「イグナーツ様、戻ってない?」
「まだでさぁ。今年も山あいでは雪が多いって話ですから、そろそろ戻ってきそうに思いますがね」
「あらん、カイ坊ちゃん! ますますいいオトコになったんじゃあない? こんな美味しそうになってぇ」
厨房の奥の階段から降りてきた角刈りマッチョは、ダンの恋人フィンだ。濃いめメイクに透けフリキャミソール姿が標準だ。
「フィンも相変わらず綺麗だね」
「もぉ、そんなうまいこと言ってぇ。誘惑したって、わたしにはダンがいるんだからぁ」
キャミソールの裾を弾ませて、フィンはダンの胸にダイブした。それを受け止めると、ダンは愛おしそうに抱きしめる。
「カイ坊ちゃん、フィンはあっしのもんでやす」
「はは、大丈夫。ちゃんと分かってるよ」
この三人の間では、ここまでが割とお約束の流れだ。
「それにしてもカイ坊ちゃん、久しぶりねぇ。もう二年ぶりくらいかしらん?」
「ああ、そのくらい経つかもね。前に来たときは、まだルチアがここにいたころだったし」
「ルチア……」
その名をつぶやいて、突然フィンが滝のような涙を流し出した。
「あの娘、いきなりいなくなっちゃってぇ。今頃どこでどうしているのかしらん……」
「ルチアなら元気にしているよ?」
「ぬぁんですってぇえっ!? それはホントなの、カイ坊ちゃん!」
がしっと肩を掴まれて、前後に大きく揺さぶられる。
今回の旅はこれといって収穫がなかった。自分と対の託宣を受けた人間は、いまだ行方知れずのままだ。
こんがり亭に着くと、雇われ店主のダンがにたりと笑顔を向けてきた。スキンヘッドに体のいたるところに走る刀傷、年中タンクトップ姿のダンは、相変わらずの殺し屋フェイスだ。
「これはカイ坊ちゃん。随分と久しぶりでやすな」
「イグナーツ様、戻ってない?」
「まだでさぁ。今年も山あいでは雪が多いって話ですから、そろそろ戻ってきそうに思いますがね」
「あらん、カイ坊ちゃん! ますますいいオトコになったんじゃあない? こんな美味しそうになってぇ」
厨房の奥の階段から降りてきた角刈りマッチョは、ダンの恋人フィンだ。濃いめメイクに透けフリキャミソール姿が標準だ。
「フィンも相変わらず綺麗だね」
「もぉ、そんなうまいこと言ってぇ。誘惑したって、わたしにはダンがいるんだからぁ」
キャミソールの裾を弾ませて、フィンはダンの胸にダイブした。それを受け止めると、ダンは愛おしそうに抱きしめる。
「カイ坊ちゃん、フィンはあっしのもんでやす」
「はは、大丈夫。ちゃんと分かってるよ」
この三人の間では、ここまでが割とお約束の流れだ。
「それにしてもカイ坊ちゃん、久しぶりねぇ。もう二年ぶりくらいかしらん?」
「ああ、そのくらい経つかもね。前に来たときは、まだルチアがここにいたころだったし」
「ルチア……」
その名をつぶやいて、突然フィンが滝のような涙を流し出した。
「あの娘、いきなりいなくなっちゃってぇ。今頃どこでどうしているのかしらん……」
「ルチアなら元気にしているよ?」
「ぬぁんですってぇえっ!? それはホントなの、カイ坊ちゃん!」
がしっと肩を掴まれて、前後に大きく揺さぶられる。