嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「ねぇ、カイも知ってると思うけど、わたし貴族なんかじゃないわ。ブルーメ家の遠縁って言うのもまったくの嘘だし。だけど……」
「だけど?」
「母さんは昔、貴族のお屋敷で働いてたんじゃないかってわたし思ってて。それでわたしの本当の父さんのこと、イグナーツ様は知ってるんじゃないかって……」
「あー、うん、どうだろ? まぁ、今日イグナーツ様に会ったら聞いてみるといいよ」
「え? イグナーツ様に会えるの?」
ぱっと顔を明るくしたルチアに、笑顔でカイは頷き返す。そうなれば冬の間は、ルチアのお守から解放だ。
「でもまぁ、イグナーツ様が山から戻ってたらの話だけど。あ、さっきの話、オレとイグナーツ様以外にしたら駄目だからね? あくまでルチアはブルーメ家の遠縁ってことにしとかないと」
「うん、分かってる……」
「あ、ルチア、肩にごみが」
さりげなく手を伸ばし、首筋に眠り針を狙い撃つ。すぐさま脱力して前方に倒れ込んだルチアを、カイは自分の膝の上に抱えあげた。
「ルチア様はご自分の出自を知らないんですねぇ……」
平然としているベッティは、こうなる流れは分かっていたようだ。偶然下町で拾った妹だったが、今ではベッティほど使える人間はいないと思っているカイだった。
「わたしが推測するにぃ、ルチア様は王族の血を引く龍の託宣を受けた者ですよねぇ?」
「さすがはベッティ。で、最近のルチアの様子はどう?」
「どうもこうも、相変わらず警戒心がお強いですねぇ。いまだベッティに湯あみの世話もさせてくれませんしぃ」
湯上りのマッサージはベッティの得意技だ。どんなに気位が高く高慢ちきな貴族相手でも、あれをやればベッティは途端にお気に入りと化し容易にその懐へと入り込む。
「それはそうとカイ坊ちゃまぁ。ルチア様の龍のあざを一体どうやって確認したんですかぁ? このベッティにすら見せてくれないでいるのにぃ」
「だけど?」
「母さんは昔、貴族のお屋敷で働いてたんじゃないかってわたし思ってて。それでわたしの本当の父さんのこと、イグナーツ様は知ってるんじゃないかって……」
「あー、うん、どうだろ? まぁ、今日イグナーツ様に会ったら聞いてみるといいよ」
「え? イグナーツ様に会えるの?」
ぱっと顔を明るくしたルチアに、笑顔でカイは頷き返す。そうなれば冬の間は、ルチアのお守から解放だ。
「でもまぁ、イグナーツ様が山から戻ってたらの話だけど。あ、さっきの話、オレとイグナーツ様以外にしたら駄目だからね? あくまでルチアはブルーメ家の遠縁ってことにしとかないと」
「うん、分かってる……」
「あ、ルチア、肩にごみが」
さりげなく手を伸ばし、首筋に眠り針を狙い撃つ。すぐさま脱力して前方に倒れ込んだルチアを、カイは自分の膝の上に抱えあげた。
「ルチア様はご自分の出自を知らないんですねぇ……」
平然としているベッティは、こうなる流れは分かっていたようだ。偶然下町で拾った妹だったが、今ではベッティほど使える人間はいないと思っているカイだった。
「わたしが推測するにぃ、ルチア様は王族の血を引く龍の託宣を受けた者ですよねぇ?」
「さすがはベッティ。で、最近のルチアの様子はどう?」
「どうもこうも、相変わらず警戒心がお強いですねぇ。いまだベッティに湯あみの世話もさせてくれませんしぃ」
湯上りのマッサージはベッティの得意技だ。どんなに気位が高く高慢ちきな貴族相手でも、あれをやればベッティは途端にお気に入りと化し容易にその懐へと入り込む。
「それはそうとカイ坊ちゃまぁ。ルチア様の龍のあざを一体どうやって確認したんですかぁ? このベッティにすら見せてくれないでいるのにぃ」