嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
 ルチアの龍のあざは二の腕、肩に近い場所にある。ある程度、服を脱がさないことには見えない場所だ。ベッティの視線が胡乱(うろん)げになるのも仕方ない事だろう。

「それはまぁ、こうすれば、ね」

 肩をすくめて、すやすやと眠るルチアをカイは見やった。ダーミッシュ領でようやく見つけたルチアに対して、カイは今と同じく眠り針を使った。丸裸にしたわけでもないので、責められる事案でもないだろう。

「あざを確認しただけで、変な気を起こしたりしなかったですよねぇ?」
「まさか。あのときはまだ子供だったし。でも、今のルチアなら手の出し甲斐もありそうだけど」
「坊ちゃま……」
「はは、冗談だよ。オレ、令嬢は守備範囲外だから」
「ならいいんですけどねぇ」

 いまだ信用ならないと言った視線を、ベッティは投げかけてくる。

「そう言うベッティはどうやって確認したの?」
「侍女としておそばにいれば、盗み見る機会なんていくらでもありますからぁ」
「ま、それもそうか。で、これからのことなんだけど……」

 眠り針の効果が切れる前に、カイは手短にベッティに指示を出した。

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