嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
戸惑ったようにルチアは自身の内ももを見やった。いつか扉の隙間から盗み見たのは、たしかに脚にあるこのあざだ。今見ると、ルチアには腕にも龍のあざが刻まれていた。
「うぅむぅ。おふたつあざをお持ちの方は確かに珍しいかもですねぇ……」
「そうなの?」
「でもまぁ、ルチア様はそれだけ龍から祝福を受けていらっしゃるってことですねぇ」
「だといいんだけど」
ベッティの言葉に、ルチアは複雑そうな顔を返してくる。
普段、既婚者か未亡人にしか手を出さないカイが、必要以上にルチアを気にかけているように思えてならない。ずっとベッティはそんなふうに感じていた。だが龍のあざをふたつ持つルチアは、国にとって何か特別な存在なのかもしれない。
龍のあざとは一体何なのか。ベッティは詳しく知らされていないため、これは憶測の域を出ないことだ。だがそう考えれば、カイのルチアへの態度も納得がいった。
「では次に髪をまとめましょうかぁ。ルチア様の赤毛はお目立ちになりますからぁ」
気を取り直して、ルチアを鏡の前に座らせる。手早くまとめ髪を作ると、栗色のかつらをかぶらせた。不自然に見えないようにブラシで整えると、ベッティは鏡越しにルチアの顔を覗き込んだ。
「いかがですかぁ?」
「すごい……なんだか昔に戻ったみたい」
角度を変えながら、ルチアは姿見に映る自分を確かめている。
「では参りましょうかぁ。カイ坊ちゃまも待ちくたびれているでしょうからぁ」
「うぅむぅ。おふたつあざをお持ちの方は確かに珍しいかもですねぇ……」
「そうなの?」
「でもまぁ、ルチア様はそれだけ龍から祝福を受けていらっしゃるってことですねぇ」
「だといいんだけど」
ベッティの言葉に、ルチアは複雑そうな顔を返してくる。
普段、既婚者か未亡人にしか手を出さないカイが、必要以上にルチアを気にかけているように思えてならない。ずっとベッティはそんなふうに感じていた。だが龍のあざをふたつ持つルチアは、国にとって何か特別な存在なのかもしれない。
龍のあざとは一体何なのか。ベッティは詳しく知らされていないため、これは憶測の域を出ないことだ。だがそう考えれば、カイのルチアへの態度も納得がいった。
「では次に髪をまとめましょうかぁ。ルチア様の赤毛はお目立ちになりますからぁ」
気を取り直して、ルチアを鏡の前に座らせる。手早くまとめ髪を作ると、栗色のかつらをかぶらせた。不自然に見えないようにブラシで整えると、ベッティは鏡越しにルチアの顔を覗き込んだ。
「いかがですかぁ?」
「すごい……なんだか昔に戻ったみたい」
角度を変えながら、ルチアは姿見に映る自分を確かめている。
「では参りましょうかぁ。カイ坊ちゃまも待ちくたびれているでしょうからぁ」