嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「これ、イザベラ。もっと言いようがあるだろう」
「だってお父様」
「まあまあ、イザベラ様は伯爵家のご令嬢、ルチアと懇意にしてくださるだけでもありがたいことです」
穏やかに間に入ったブルーメ子爵に、ブラル伯爵はやはり穏やかな笑顔を返した。
「いやはや、ブルーメ子爵はできたお方だ。おかげでわたしも安心できるというものです」
これ以上ないほどたれた瞳でルチアを見やると、ブラル伯爵はニコニコ顔を向けてきた。縦ロール暴言令嬢の父親とは思えないほどのいい人ぶりだ。
「わたしも貴族の端くれ、父として最善を尽くす所存でありますな」
「それは心強い。益々安心してお任せできるというものです」
紳士同士の話は良く分からない上、長ったらしくて辟易してしまう。やっと休めると思った矢先のことで、ルチアは余計にげんなりとしてしまった。
「ねぇ、お父様。わたくしルチア様とあちらでおしゃべりしてまいりますわ。お父様たちはそこでゆっくりお話しなさってて」
ぐいと腕を引き、イザベラはルチアを広間の端に連れていこうとする。
「これ、イザベラ」
「ああ、わたしどもも丁度休憩しようと思っていたところでしたので。ルチア、イザベラ様に失礼のないようにするのだぞよ」
休憩用のソファに浅く腰かけて、ルチアはようやくひと心地がついた。本当は寝そべりたいところだが、背もたれにもたれ掛かることすら令嬢として駄目らしい。
(ほんと貴族って面倒くさい)
叫び声を上げ、今すぐここを飛び出したくなってくる。
「ルチア様は何を飲む? 成人したのだからお酒も飲めるわよ」
「あ、いえ、わたくしは……」
「そう、あなたもお父様に飲酒を止められてるのね。何かあったら危険だからって」
つまらなそうに果実水を手渡され、ルチアはそれを素直に受け取った。イザベラのお陰でこうしてひと息つけている。いくら好きになれない相手でも、礼くらいは言うべきだろう。
「だってお父様」
「まあまあ、イザベラ様は伯爵家のご令嬢、ルチアと懇意にしてくださるだけでもありがたいことです」
穏やかに間に入ったブルーメ子爵に、ブラル伯爵はやはり穏やかな笑顔を返した。
「いやはや、ブルーメ子爵はできたお方だ。おかげでわたしも安心できるというものです」
これ以上ないほどたれた瞳でルチアを見やると、ブラル伯爵はニコニコ顔を向けてきた。縦ロール暴言令嬢の父親とは思えないほどのいい人ぶりだ。
「わたしも貴族の端くれ、父として最善を尽くす所存でありますな」
「それは心強い。益々安心してお任せできるというものです」
紳士同士の話は良く分からない上、長ったらしくて辟易してしまう。やっと休めると思った矢先のことで、ルチアは余計にげんなりとしてしまった。
「ねぇ、お父様。わたくしルチア様とあちらでおしゃべりしてまいりますわ。お父様たちはそこでゆっくりお話しなさってて」
ぐいと腕を引き、イザベラはルチアを広間の端に連れていこうとする。
「これ、イザベラ」
「ああ、わたしどもも丁度休憩しようと思っていたところでしたので。ルチア、イザベラ様に失礼のないようにするのだぞよ」
休憩用のソファに浅く腰かけて、ルチアはようやくひと心地がついた。本当は寝そべりたいところだが、背もたれにもたれ掛かることすら令嬢として駄目らしい。
(ほんと貴族って面倒くさい)
叫び声を上げ、今すぐここを飛び出したくなってくる。
「ルチア様は何を飲む? 成人したのだからお酒も飲めるわよ」
「あ、いえ、わたくしは……」
「そう、あなたもお父様に飲酒を止められてるのね。何かあったら危険だからって」
つまらなそうに果実水を手渡され、ルチアはそれを素直に受け取った。イザベラのお陰でこうしてひと息つけている。いくら好きになれない相手でも、礼くらいは言うべきだろう。