嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
やはりカイとの約束は、リーゼロッテの元という事で落ち着くのだろうか。決めかねていた思いが、ベッティの中で次第に固まりつつあるように感じられた。
「ねぇベッティ、わたくしに何かお礼をさせて?」
「褒章なら王家とデルプフェルト家からもう十分頂きましたからぁ」
「だけどこのままじゃ、ベッティに申し訳が立たないわ」
エラ争奪杯のこともあり、ベッティはすでに一生遊んで暮らせるほどの金品を手にしている。ここは貸しひとつで手を打つくらいで十分そうだ。
それを口に出そうとするも、ベッティは動きを止めた。リーゼロッテの肩越しの廊下で、不動のカークが背筋を伸ばして立っている。
あの異形はリーゼロッテの護衛のようなものだ。カークの目を通して、公爵が常にリーゼロッテを監視している。カイがそう言っていたことを思い出した。
(ということはぁ……)
全身の毛穴から、どっと嫌な汗が噴き出した。このリーゼロッテとの抱擁場面も、ばっちり公爵が視ているということだ。
「と、時にリーゼロッテ様ぁ。わたしがリーゼロッテ様の髪を切った件はぁ、公爵様にはどんな感じで伝わっているんですかねぇ?」
「え? どうだったかしら? 神殿でのことは、龍に目隠しされて言えることと言えないことがあったから……。それよりもベッティ、お礼の件を」
曖昧な返答に、最悪の事態が頭をよぎる。必死の形相でリーゼロッテの肩を掴んで揺さぶった。
「でしたら公爵様に叱られる事態に陥ったらぁ、必ずベッティを擁護してくださると全力で約束してくださいましぃっ」
「ジークヴァルト様に? それはいいけれど……でもお礼って、本当にそんなことでいいの?」
「超・絶っ、もちろんですぅ!」
これで枕を高くして眠れると、壊れた人形のようにベッティは何度も何度も頷いた。
「ねぇベッティ、わたくしに何かお礼をさせて?」
「褒章なら王家とデルプフェルト家からもう十分頂きましたからぁ」
「だけどこのままじゃ、ベッティに申し訳が立たないわ」
エラ争奪杯のこともあり、ベッティはすでに一生遊んで暮らせるほどの金品を手にしている。ここは貸しひとつで手を打つくらいで十分そうだ。
それを口に出そうとするも、ベッティは動きを止めた。リーゼロッテの肩越しの廊下で、不動のカークが背筋を伸ばして立っている。
あの異形はリーゼロッテの護衛のようなものだ。カークの目を通して、公爵が常にリーゼロッテを監視している。カイがそう言っていたことを思い出した。
(ということはぁ……)
全身の毛穴から、どっと嫌な汗が噴き出した。このリーゼロッテとの抱擁場面も、ばっちり公爵が視ているということだ。
「と、時にリーゼロッテ様ぁ。わたしがリーゼロッテ様の髪を切った件はぁ、公爵様にはどんな感じで伝わっているんですかねぇ?」
「え? どうだったかしら? 神殿でのことは、龍に目隠しされて言えることと言えないことがあったから……。それよりもベッティ、お礼の件を」
曖昧な返答に、最悪の事態が頭をよぎる。必死の形相でリーゼロッテの肩を掴んで揺さぶった。
「でしたら公爵様に叱られる事態に陥ったらぁ、必ずベッティを擁護してくださると全力で約束してくださいましぃっ」
「ジークヴァルト様に? それはいいけれど……でもお礼って、本当にそんなことでいいの?」
「超・絶っ、もちろんですぅ!」
これで枕を高くして眠れると、壊れた人形のようにベッティは何度も何度も頷いた。