嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
頭を抱えるエマニュエルには悪いと思いつつ、リーゼロッテはくすくすと笑ってしまった。よほど周囲から持ち上げられて育っているのだろう。
「しつけがなっていなくて、本当に申し訳ございません」
「まだ幼いんですもの。仕方ありませんわ」
貴族階級の複雑な上下関係など、小さな子供に理解しろと言う方が無理な話だ。自分は日本での知識があったからまだましだったが、それでも完全に飲み込むまでに苦労した。
「ところでリーゼロッテ様。お連れなのはカークだけですか?」
「え、ええ……」
勝手に部屋を飛び出してきたとは言えなくて、歯切れの悪い返事になってしまった。またジークヴァルトにいらぬ心配をかけたのかと思うと、いつまで経っても成長しない自分に嫌気がさしてくる。
「もしや……旦那様と何かございましたか?」
「え? あ、いえ、その……」
思わず目を泳がせる。先日の茶会帰りの馬車での出来事が頭をよぎり、エマニュエルの鋭すぎる突っ込みを上手に躱すことができなかった。こんな動揺感丸出しでは、公爵夫人としても駄目駄目だ。ランドルフを笑える立場ではないと、ますます自己嫌悪に陥った。
「リーゼロッテ様……」
「ご心配には及びませんわ。ジークヴァルト様とはちゃんとうまくやっておりますから」
「それならいいのですが。わたしはしばらくフーゲンベルク家に滞在しております。もし何かありましたら、いつでもご相談なさってくださいね」
誤魔化しきれた気はしなかったが、エマニュエルはそれ以上詮索してこなかった。そのことにほっと息をついたリーゼロッテだった。
「しつけがなっていなくて、本当に申し訳ございません」
「まだ幼いんですもの。仕方ありませんわ」
貴族階級の複雑な上下関係など、小さな子供に理解しろと言う方が無理な話だ。自分は日本での知識があったからまだましだったが、それでも完全に飲み込むまでに苦労した。
「ところでリーゼロッテ様。お連れなのはカークだけですか?」
「え、ええ……」
勝手に部屋を飛び出してきたとは言えなくて、歯切れの悪い返事になってしまった。またジークヴァルトにいらぬ心配をかけたのかと思うと、いつまで経っても成長しない自分に嫌気がさしてくる。
「もしや……旦那様と何かございましたか?」
「え? あ、いえ、その……」
思わず目を泳がせる。先日の茶会帰りの馬車での出来事が頭をよぎり、エマニュエルの鋭すぎる突っ込みを上手に躱すことができなかった。こんな動揺感丸出しでは、公爵夫人としても駄目駄目だ。ランドルフを笑える立場ではないと、ますます自己嫌悪に陥った。
「リーゼロッテ様……」
「ご心配には及びませんわ。ジークヴァルト様とはちゃんとうまくやっておりますから」
「それならいいのですが。わたしはしばらくフーゲンベルク家に滞在しております。もし何かありましたら、いつでもご相談なさってくださいね」
誤魔化しきれた気はしなかったが、エマニュエルはそれ以上詮索してこなかった。そのことにほっと息をついたリーゼロッテだった。