嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「フーゲンベルク家への対応はどういたしましょうかぁ? 今日のところはルチア様の気分が悪くなったからと先に帰ってもらったのですがぁ……」
「ジークヴァルト様にはうまいこと言っといたから。ベッティはまず今できることをして」
ベッティと別れ、カイは馬を駆り隠れ家へと向かった。現在捜査を進めている件で、読み返したい資料がいくつかあった。
自分の対となる託宣に関しては、手掛かりすらなくここのところ空振り続きだ。貴族の中で龍のあざを持つ者が新たに見つからない以上、市井から探し出すしか道はない。
ハインリヒの時でさえ、見つけられたのはルチアひとりだ。途方もない話だが、どれだけの労力と時間がかかろうとも、絶対に探しあてるつもりでいるカイだ。
(対の相手だと気づかないまま、星に堕とされるのだけは勘弁だしな)
カイが託宣を果たして禁忌の異形になるためには、誰かの託宣を阻む必要がある。その誰かこそ、今探しているオーンの名を受けた者だ。
それと知らずにうっかり託宣を阻んで、うっかり星に堕ちるなど、情けなさすぎて泣くに泣けない。
自分の意思をもって託宣を阻み、自分の意思をもって星に堕ちる。そのくらいの気概がなければ、死んでも死にきれないと言うものだろう。
現時点で分かっているのは、ルチアが生まれた年にオーンの託宣が降りたという事だけだ。すなわち目的の人物は、ルチアと同い歳だと言えた。今のところ、その年齢の平民をしらみ潰しに探すしか手立てがない。もっと効率よくするためにも新たな手掛かりが必要だった。
(せっかくなら美人でグラマーな娘だといいんだけど)
対の相手と言えど婚姻の託宣という訳ではないので、龍のあざを持つ者は男である可能性もあった。どうせ命を懸けるなら、野郎より美人のためにの方がいいに決まっている。
もうひとつ、カイの頭を離れないでいる言葉があった。それは対の託宣を受けた者同士が肌を合わせると、ものすごく気持ちがいいのだと、イグナーツが以前言っていたことだ。
それに、託宣の相手同士が互いの龍のあざに触れると、どうやら体が熱くなるらしい。
カイのあざは内ももに刻まれている。ここに触れる誰かと出会える日は、あとどれだけ待てば来るのだろうか。
(見つけたのが女だったら、一度お相手してもらわない手はないよな)
その気持ちよさがどれほどのものなのか、実に気になるところだ。ずっとそれを確かめたくて、むしろそちらが目的となっている節のあるカイだった。
「ジークヴァルト様にはうまいこと言っといたから。ベッティはまず今できることをして」
ベッティと別れ、カイは馬を駆り隠れ家へと向かった。現在捜査を進めている件で、読み返したい資料がいくつかあった。
自分の対となる託宣に関しては、手掛かりすらなくここのところ空振り続きだ。貴族の中で龍のあざを持つ者が新たに見つからない以上、市井から探し出すしか道はない。
ハインリヒの時でさえ、見つけられたのはルチアひとりだ。途方もない話だが、どれだけの労力と時間がかかろうとも、絶対に探しあてるつもりでいるカイだ。
(対の相手だと気づかないまま、星に堕とされるのだけは勘弁だしな)
カイが託宣を果たして禁忌の異形になるためには、誰かの託宣を阻む必要がある。その誰かこそ、今探しているオーンの名を受けた者だ。
それと知らずにうっかり託宣を阻んで、うっかり星に堕ちるなど、情けなさすぎて泣くに泣けない。
自分の意思をもって託宣を阻み、自分の意思をもって星に堕ちる。そのくらいの気概がなければ、死んでも死にきれないと言うものだろう。
現時点で分かっているのは、ルチアが生まれた年にオーンの託宣が降りたという事だけだ。すなわち目的の人物は、ルチアと同い歳だと言えた。今のところ、その年齢の平民をしらみ潰しに探すしか手立てがない。もっと効率よくするためにも新たな手掛かりが必要だった。
(せっかくなら美人でグラマーな娘だといいんだけど)
対の相手と言えど婚姻の託宣という訳ではないので、龍のあざを持つ者は男である可能性もあった。どうせ命を懸けるなら、野郎より美人のためにの方がいいに決まっている。
もうひとつ、カイの頭を離れないでいる言葉があった。それは対の託宣を受けた者同士が肌を合わせると、ものすごく気持ちがいいのだと、イグナーツが以前言っていたことだ。
それに、託宣の相手同士が互いの龍のあざに触れると、どうやら体が熱くなるらしい。
カイのあざは内ももに刻まれている。ここに触れる誰かと出会える日は、あとどれだけ待てば来るのだろうか。
(見つけたのが女だったら、一度お相手してもらわない手はないよな)
その気持ちよさがどれほどのものなのか、実に気になるところだ。ずっとそれを確かめたくて、むしろそちらが目的となっている節のあるカイだった。