嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「ルチアにふたつ目のあざが! あったんだ! あったんだよ、ベッティ!」
「え、それはぁ……カイ坊ちゃま、ご存じなかったんですかぁ?」

 ようやくの思いで答えると、信じられないと言う顔でカイは大きく目を見開いた。

「なに? ベッティはずっと知ってたの? どうして今まで黙ってた? もっと早く言ってくれればこんな苦労はしなかったのに」
「だってぇ……坊ちゃまはとっくに知ってるものだと思っててぇ」

 カイらしくない問い詰めに、困惑しか返せない。

「はは、まぁいいや。もう見つかったんだ。ずっと、ずっと探していた対の託宣が……!」

 弾む声でカイはルチアの眠る寝台を振り返った。漏れる笑いを必死に(こら)え、いつも通りベッティに指示を出す。

「数日はここにいる。とりあえずルチアに必要そうなもの用意して。あとはこの紙の通りに動いてくれればそれでいいから」
「……承知いたしましたぁ」

 どんなに信じ難くとも、ベッティはカイの言葉を受け入れるしかない。彼の駒になることを誓ったからには、これ以上の疑問は捨て去るべきだ。

 感情をすべて消すために、ベッティは眠るルチアから目を(そむ)けた。

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