嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「自分はひけらかす伝手もないくせに、相変わらず口だけは達者なのね」
「……そうおっしゃるツェツィーリア様だって似たようなものでしょう?」
「わたくしはピッパ王妹殿下と定期的にお会いしているもの」
「年が近いから呼ばれているだけではなくて? そんなことくらいで威張らないでいただきたいわ」
「ヤスミン様はアンネマリー王妃殿下と親しくされているわ。イザベラ様はお年も近いのに、王妃の離宮に呼ばれもしないのね」
鼻で笑ったツェツィーリアを前に、イザベラがさっと顔を青ざめさせた。リーゼロッテが止める暇もなく、次々と火種に油が注がれていく。
「わわわわたくしのへリング子爵家なんて田舎も田舎、ド田舎貴族ですから、王族の方など白の夜会でご挨拶したときにしかお会いできておりませんわっ」
涙目で震えながらクラーラがおどけた声を張り上げた。クラーラなりに場を和ませようとしてくれているらしい。
「それは当然よね。わたくしは伯爵令嬢、それも宰相の娘ですもの。大きな夜会にもよく招かれるし、王族の方には何度もご挨拶しているわ」
「さっすがイザベラ様ですわ! 田舎子爵の身分ではそうそう王族にお会いできませんものっ。ね、ルチア様もそうですわよねっ」
ルチアのブルーメ子爵家は、クラーラの家よりさらに王都から遠い場所にある。仲間を増やそうとでも思ったのか、クラーラはルチアに同意を求めた。
「わたくしはまだデビュー前ですし……でもクリスティーナ様となら、わたくしもお会いしたことがあります」
「えっ!?」
興味なさそうに座っていたルチアが、これまた興味なさそうに受け答えをした。なおりかけていたイザベラの機嫌が、再び一気に下降する。それを感じても、何をどう言えばこの場が収まるのか、リーゼロッテには皆目見当がつかなかった。
「時にクラーラ様。先日のレルナー家の夜会で、エルヴィン・グレーデン様にダンスに誘われたと聞きましたわ」
話題を切り替えるように、のほほんとヤスミンがクラーラを見やった。おろおろするばかりのリーゼロッテとはけた違いの大物ぶりだ。
「そそそうなんですよ。いきなりのことでわたし、じゃなかったわたくし緊張のあまり、エルヴィン様の足を踏んでしまってっ」
必死に道化を演じるクラーラにも頭が下がる。なんとかこの場を穏便に済ませようと、必死になっているのがよく分かった。
「わたくしだってエルヴィン様にダンスを申し込まれたわ」
そこにすかさずイザベラが口をはさんできた。自分が会話の中心にいないと、どうにも気が済まないようだ。
「……そうおっしゃるツェツィーリア様だって似たようなものでしょう?」
「わたくしはピッパ王妹殿下と定期的にお会いしているもの」
「年が近いから呼ばれているだけではなくて? そんなことくらいで威張らないでいただきたいわ」
「ヤスミン様はアンネマリー王妃殿下と親しくされているわ。イザベラ様はお年も近いのに、王妃の離宮に呼ばれもしないのね」
鼻で笑ったツェツィーリアを前に、イザベラがさっと顔を青ざめさせた。リーゼロッテが止める暇もなく、次々と火種に油が注がれていく。
「わわわわたくしのへリング子爵家なんて田舎も田舎、ド田舎貴族ですから、王族の方など白の夜会でご挨拶したときにしかお会いできておりませんわっ」
涙目で震えながらクラーラがおどけた声を張り上げた。クラーラなりに場を和ませようとしてくれているらしい。
「それは当然よね。わたくしは伯爵令嬢、それも宰相の娘ですもの。大きな夜会にもよく招かれるし、王族の方には何度もご挨拶しているわ」
「さっすがイザベラ様ですわ! 田舎子爵の身分ではそうそう王族にお会いできませんものっ。ね、ルチア様もそうですわよねっ」
ルチアのブルーメ子爵家は、クラーラの家よりさらに王都から遠い場所にある。仲間を増やそうとでも思ったのか、クラーラはルチアに同意を求めた。
「わたくしはまだデビュー前ですし……でもクリスティーナ様となら、わたくしもお会いしたことがあります」
「えっ!?」
興味なさそうに座っていたルチアが、これまた興味なさそうに受け答えをした。なおりかけていたイザベラの機嫌が、再び一気に下降する。それを感じても、何をどう言えばこの場が収まるのか、リーゼロッテには皆目見当がつかなかった。
「時にクラーラ様。先日のレルナー家の夜会で、エルヴィン・グレーデン様にダンスに誘われたと聞きましたわ」
話題を切り替えるように、のほほんとヤスミンがクラーラを見やった。おろおろするばかりのリーゼロッテとはけた違いの大物ぶりだ。
「そそそうなんですよ。いきなりのことでわたし、じゃなかったわたくし緊張のあまり、エルヴィン様の足を踏んでしまってっ」
必死に道化を演じるクラーラにも頭が下がる。なんとかこの場を穏便に済ませようと、必死になっているのがよく分かった。
「わたくしだってエルヴィン様にダンスを申し込まれたわ」
そこにすかさずイザベラが口をはさんできた。自分が会話の中心にいないと、どうにも気が済まないようだ。