嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
 まず月のものの間に手を出してくることはない。だがこのところは終わりが近づくと、待てができずに悪戯(イタズラ)を仕掛けてくることが増えてきた。
 そして解禁明けのまぐあいはことさら長い。長い上にしつこくねちっこい。焦らしに焦らしてくるので、それもどうにか対策がしたかった。

 夜会前には一週間、まぐあい禁止令が設けられるので、夜会終わりの晩も同様にしつこくなるようだ。先日のレルナー家の夜会でも、疲れ切って帰り着いた部屋で強制あんあんに突入したことを思い出す。

(そういえば、お茶会のあった日もひどいのよね……)

 リーゼロッテ主催の茶会では、お預けの期間は二日だけだ。それなのに茶会の夜のジークヴァルトは、やはり長時間焦らしにかかってくる。

(わたしが誰かと会った時に限って、いつも以上にヴァルト様がしつこくなるのは間違いなさそうだわ)

 それは男に限らず、女性だけの集まりでも変わらなかった。リーゼロッテを独り占めしたいとでも思っているのだろうか。
 そんなこと口には出さないし、人に会うことを止めたりもしないが、その日の出来事とジークヴァルトの反応を照らし合わせると、どうしてもその結論に至ってしまう。

(ヴァルト様ってどんだけわたしが好きなのかしら……)

 愛されすぎて怖いというより、もはや呆れるしかないだろう。

(でも最近はやられっぱなしじゃないもの)

 夫婦となってからここ数か月、ジークヴァルトの暴走を止められずに、毎夜惨敗が続いていた。しかし検証を重ねた結果、先に寝てしまえば朝まで起こされないことが判明したのだ。そんなわけでこのところ三日に一回は、帰りを待たずにさっさと眠ってしまっているリーゼロッテだった。

(三日以上空くと、ヴァルト様がまたしつこくなるから……)

 本音を言うともっと休みたい。かと言ってお預けが長すぎると、あとで自分に返ってきてしまう。そこはもう仕方がないと、すっかりあきらめの境地になっていた。

(せめてもう少し時間を短くしてくれればいいのに)

 途中でもうムリと訴えたところで、イヤヨイヤヨもスキのウチと流されてしまう毎日だ。こんな事情はエラにも相談できなくて、悶々とひとりで悩んでいる間に今日も夜を迎えてしまった。

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