嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
 ぷんすこ怒りながら、ジークヴァルトの胸を押す。困惑顔のまま固まる両腕が、行き場なく宙を彷徨(さまよ)った。

「リーゼロッテ、一体何を……」
「ヴァルト様の手はここ! 黙って、動かない!」

 無理やり手を降ろさせて、自分はジークヴァルトの前に正座する。仕方なしにあぐらをかいて、言われたとおりにジークヴァルトは沈黙を守った。

「うぅんと、まずは……」

 独り言を呟きながら、ジークヴァルトのシャツに手をかける。真剣な面持(おもも)ちで、上から順に(ぼたん)を外していった。その慣れない手つきを、ジークヴァルトの視線が追ってくる。

「あっつい」

 半ばまで外しかけ、やおらリーゼロッテは羽織っていたガウンを脱ぎ捨てた。いつもなら恥ずかしくて仕方がない、透けふりランジェリー姿を惜しげもなくさらけ出す。

「リーゼ……ロッテ」
「だぁめ、じっとしててっ」

 生唾(なまつば)を飲んだジークヴァルトを一喝(いっかつ)すると、再び釦に指を伸ばす。ようやく下まで外しきり、ジークヴァルトの胸をはだけさせた。

「ヴァルトさま、(ほそ)まっちょ……」
「ほそま……?」

 ジークヴァルトの筋肉をしげしげと見やり、その肌を手のひらで確かめた。胸板の上、円を描くように手を滑らせると、リーゼロッテは伺うようにジークヴァルトを見上げた。

「くすぐったい?」
「いや、特に……」
「どうして? わたくしヴァルトさまにこうされると、すごくくすぐったいのに」

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