嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
 ぷくと頬を膨らませて、リーゼロッテはさらにジークヴァルトの胸板をくすぐった。

「これは? 気持ちいい?」
「い、いや、そうでもないが……」
「なんでずるい、いつもわたくしばっかり……じゃあ、これはどう?」

 リーゼロッテは鳩尾(みぞおち)の龍のあざに唇を寄せた。いつもジークヴァルトにされているように、口づけで模様をなぞっていく。

「ふぁああっ!」

 キスしたのはジークヴァルトのあざなのに、なぜか自分の胸元が熱くなった。驚いて自分の龍のあざに手を当てると、ジークヴァルトにキスされて性急に抱き寄せられる。

「やぁっ駄目! 今夜はわたくしがヴァルトさまをあんあん言わせるのっ」

 ジークヴァルトの手を引きはがすと、リーゼロッテはびしっとリネンを指さした。

「ヴァルトさま、待て! ステイっ!」

 号令をかけられた犬のごとく、ジークヴァルトの動きがぴたりと止まる。

「動いたら、めっ!」

 ふぅふぅと息を乱し、熱い手のひらでジークヴァルトを押し倒す。

「今日はわたくしがやるんです」

 しかし媚薬の効果が強すぎたのか、リーゼロッテは途中でふにゃふにゃになった。
 力が入らずジークヴァルトの上に倒れ込む。

 それ以降はジークヴァルトに主導権を握られた。
 結局は、いつも以上に熱く激しい夜を過ごす羽目になってしまったリーゼロッテだった。


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