嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「そういうことは我慢などせず素直に言え」
「ジークヴァルト様は毎日お忙しくしてるのに、そんな我が儘、わたくし言えませんわ」
唇を尖らせるリーゼロッテが愛おしくて仕方がない。
「ですがティビシス神殿は完全な聖域で、異形の者がまったくいないと聞きました。安心してお式が挙げられるなんて、本当にアンネマリーには感謝ですわ!」
その上アンネマリー王妃は、護衛として王城騎士まで派遣すると言ってきた。しあわせそうな顔を向けられて、ジークヴァルトの胸がずきりと痛む。リーゼロッテを笑顔にするのは、この己であるべきなのに。
誰よりも近い自分が、誰よりも彼女を理解していたい。心からそう願うのに、リーゼロッテが望むものを少しも分かってやれないでいる。そのことがたまらなくもどかしい。
「我が儘でもいい。思っていることをオレには隠さず話せ」
「こうしてヴァルト様といられるだけで、わたくしとってもしあわせですわ」
はにかみながら頬を染める姿に、胸が押しつぶされそうになった。夫婦となった今も、リーゼロッテを求める心は際限なく膨らんでいく。
永遠に閉じ込めて、誰の目にも触れさせたくない。欲しいのは、ただ無邪気な笑顔のはずなのに――
浅ましい本心が透けて見え、口先ばかりの自分が呪わしく思えてくる。
指にリーゼロッテの髪を絡め、渦巻く欲望をひたすら抑えるうちに、馬車は神殿へとたどり着いた。
「ジークヴァルト様は毎日お忙しくしてるのに、そんな我が儘、わたくし言えませんわ」
唇を尖らせるリーゼロッテが愛おしくて仕方がない。
「ですがティビシス神殿は完全な聖域で、異形の者がまったくいないと聞きました。安心してお式が挙げられるなんて、本当にアンネマリーには感謝ですわ!」
その上アンネマリー王妃は、護衛として王城騎士まで派遣すると言ってきた。しあわせそうな顔を向けられて、ジークヴァルトの胸がずきりと痛む。リーゼロッテを笑顔にするのは、この己であるべきなのに。
誰よりも近い自分が、誰よりも彼女を理解していたい。心からそう願うのに、リーゼロッテが望むものを少しも分かってやれないでいる。そのことがたまらなくもどかしい。
「我が儘でもいい。思っていることをオレには隠さず話せ」
「こうしてヴァルト様といられるだけで、わたくしとってもしあわせですわ」
はにかみながら頬を染める姿に、胸が押しつぶされそうになった。夫婦となった今も、リーゼロッテを求める心は際限なく膨らんでいく。
永遠に閉じ込めて、誰の目にも触れさせたくない。欲しいのは、ただ無邪気な笑顔のはずなのに――
浅ましい本心が透けて見え、口先ばかりの自分が呪わしく思えてくる。
指にリーゼロッテの髪を絡め、渦巻く欲望をひたすら抑えるうちに、馬車は神殿へとたどり着いた。