社内では言えないけど ―私と部長の秘匿性高めな恋愛模様―
全力秘匿事項
他人に本心を見せられなかった私が、部長を好きになって、しかも心を通わせることができて、少し変われた気がする。
オフィスを離れて二人きりになると、部長は私を『ちひろ』と名前で呼ぶ。
家族や親族ではない男性から、しかも好きな人から名前で呼ばれることになかなか慣れず、いちいち照れる私の反応がツボのようで、面白そうにクスクス笑ってばかりいる。
あんまり笑われてばかりで悔しいから、一度私も、彼を『慧一郎さん』と呼んでみた。
部長が照れ臭そうに黙り込むのを期待して、仕返しのつもりだったのに、逆にものすごく喜ばれてしまった。
おかげで今じゃ、二人でいるのに部長呼びに戻ると、わかりやすく不機嫌になってしまう。
オフィスでは圧倒的に有能な上司なのに、私の前では感情豊かで少年っぽくなる湯浅部長。
時々お母さんになった気分になるのも、くすぐったくて嬉しい。
私はずっとずっと、彼のことが大好きなままだろうと思う。きっと。
そんな心の安定が、普段の私に少しずつ変化をもたらした。
といっても、オフィスでの私たちは上司と部下。
部長の立場上、人に知られてはいけないし、私自身も居心地が悪くなってしまう。
だからもちろん、私たちの関係は絶対に秘密だ。
オフィスではただの上司と部下だけど、そこに部長がいてくれると思うだけで、私は以前より頑張れるようになった。
人の輪の中ではなかなか積極的になれず、落ち込むこともまだまだ多いけど、自分で立ち上がる私を、部長はちゃんと見守ってくれている。
だから私は、必要以上に怖がらなくなった。
すると、少しずつ。少しずつだけど、確かに前を向けるようになった。
自分で立ち上がり、長く続く道を見つめる。
そこからもう一歩踏み出せる私になるには、もう少し時間がかかるかもしれない。
だけど、それはきっと、そう遠くない未来の私。
立派な成長を遂げた私を、一番近くで部長に見てもらいたい。
それが、今の私の密かな野望だ。
オフィスを離れて二人きりになると、部長は私を『ちひろ』と名前で呼ぶ。
家族や親族ではない男性から、しかも好きな人から名前で呼ばれることになかなか慣れず、いちいち照れる私の反応がツボのようで、面白そうにクスクス笑ってばかりいる。
あんまり笑われてばかりで悔しいから、一度私も、彼を『慧一郎さん』と呼んでみた。
部長が照れ臭そうに黙り込むのを期待して、仕返しのつもりだったのに、逆にものすごく喜ばれてしまった。
おかげで今じゃ、二人でいるのに部長呼びに戻ると、わかりやすく不機嫌になってしまう。
オフィスでは圧倒的に有能な上司なのに、私の前では感情豊かで少年っぽくなる湯浅部長。
時々お母さんになった気分になるのも、くすぐったくて嬉しい。
私はずっとずっと、彼のことが大好きなままだろうと思う。きっと。
そんな心の安定が、普段の私に少しずつ変化をもたらした。
といっても、オフィスでの私たちは上司と部下。
部長の立場上、人に知られてはいけないし、私自身も居心地が悪くなってしまう。
だからもちろん、私たちの関係は絶対に秘密だ。
オフィスではただの上司と部下だけど、そこに部長がいてくれると思うだけで、私は以前より頑張れるようになった。
人の輪の中ではなかなか積極的になれず、落ち込むこともまだまだ多いけど、自分で立ち上がる私を、部長はちゃんと見守ってくれている。
だから私は、必要以上に怖がらなくなった。
すると、少しずつ。少しずつだけど、確かに前を向けるようになった。
自分で立ち上がり、長く続く道を見つめる。
そこからもう一歩踏み出せる私になるには、もう少し時間がかかるかもしれない。
だけど、それはきっと、そう遠くない未来の私。
立派な成長を遂げた私を、一番近くで部長に見てもらいたい。
それが、今の私の密かな野望だ。