過つは彼の性、許すは我の心 参
多分私がその場に居たらああ?とヤクザ張りの因縁の付け方する様な事を言われたと平然と言う惣倉君。
惣倉君は言われ慣れている様で気にもしていないのがまた腹立たしかった。
それでも、
「感情が乏しい俺に初めて生まれた楽しい、大事にしたい気持ち。この思いが有れば俺は、どんなに先輩と離れていても大丈夫、そう思えるんです」
やっぱり惣倉君は楽しそうで、随分前からこうなる事を覚悟していたんだとその言葉で知った。
「…先輩がこれから如何するのにしろ、天條先輩達は切り捨てられない」
表情を引き締めた惣倉君。
それは未来を暗示した言葉で。
「…」
「でも天條先輩達の傍に居れば、先輩が変わってしまう。冷たく恐ろしい、今までの先輩とは全く別の存在に」
ーーー怖い、それが。
でもそうならなきゃいけない。
じゃないと傍には居られ、
「先輩止めましょう、それ」
気付いたら惣倉君が私の上に乗っていた。
暗闇の中で光る獲物。
ナイフ。
「離れる俺に餞別を…俺に先輩を殺させて下さい」
モニターの僅かな光に反射した刃先が、私の胸のど真ん中を狙う。
「…」
私は一拍置いて、どうして?と口を動かす。
「好きな人を殺したいって言うヤンデレ思考なんです」
動きを止めた惣倉君はそう笑った。
面白い言い方にふっと笑う。