過つは彼の性、許すは我の心 参
殺されそうになっているのに。
「ふふっ…」
「ふはははっ…」
日常が戻って来た気がして、楽しくて楽しくて、身体が傷だらけじゃなければお腹抱えて笑いたくなるほど。
惣倉君は一頻り笑った後、
「はははっ…先輩、俺と約束」
そう、私に言った。
「絶対に自分を曲げないで下さい」
「…」
笑いの止まった私を見下ろしながら、ナイフとは逆の手で私の頬を撫でる。
「時には安全だと思える場所に逃げてもいい。戦えないと思えば誰かの力を借りて一緒に戦ってもいい。人との調和を重んじ、誰かの気持ちに寄り添う。それが先輩の強さです。先輩が先輩らしく有り続ければ、周囲も力を絶対に貸してくれる」
今から殺す、私への手向けの言葉。
だったらと私も口を開いた。
「ん?先輩からも約束ですか?…それって難しいんじゃ」
ムッとしながら絶対!いいやそうなる!と言い切った。
「一途巨乳美人が突然現れて俺の事を好きなってくれる、か…」
私が惣倉君にした約束。
将来きっと惣倉君と一緒に歩める人が現れる…待って、きっとじゃなくて絶対!
ーーー惣倉君のこれから歩む人生は暗闇と血が満ちた世界。
そんな修羅の道を行くと言う彼。
なら、尚更だと思った。
惣倉君は誰かと気持ちを共有する事が楽しいと言った。