悪女な私とは婚約破棄してください。なのに、冷徹社長の猛愛からは逃げられない
「そ、それこそ本当に娘がやったという証拠はあるのか? なければ、そっちこそ名誉毀損だぞ」
「先ほど申しあげたとおり。すべて証拠まで押さえたうえで話をしています」

 この証拠探しが、今回一番大変だったところだ。画像生成系のアプリはスマホで手軽に使えるものも多いが、今回の志桜のベッド写真はスマホアプリで作ったにしては高クオリティ。だからPCを使ったのでは?というのが楓の読みだった。

(愛奈はスマホは使いこなすけど、PCは昔からあまり得意じゃなくてプライベート用のものは持っていなかった)

 加えて、彼女は自分の作戦が失敗するとは想定もしていない。であれば、もしかしたら会社のPCを使ったかもしれない。志桜はそう推理してみた。このあと大活躍してくれたのは、蘭だ。愛奈のPCに偶然を装ってお茶をこぼし、情報課の不具合がないかチェックしてもらうという名目で愛奈のPCの持ち出しに成功。
 志桜は静かな声で告げた。

「愛奈の会社のPCに合成前のもとの写真データがあったわ。今回の件に関与していないなら、あの写真を持っているのは不自然よね?」

 さすがの愛奈も反論は思いつかないのだろう。黙って下を向くばかりだ。
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