悪女な私とは婚約破棄してください。なのに、冷徹社長の猛愛からは逃げられない
(私は、とくになにも感じないけれど)
志桜だってあの頃よりはいくらか賢くなり、未来へ繋がる道は一本きりではないと学んだ。そして、婚約破棄くらい世間では案外とありふれた話であることも。
(愛はともかく、信頼すらできない相手と夫婦にはなれないわ)
不幸になるのが目に見えているのに、その道を進むのはあまりにも愚かだ。自分自身の未来のために彼との関係は解消する。思い立ってから早数年、どうしたらいいのか志桜なりに必死に考えてきた。
「当時の鷹井家にとっては、多少なりとも神室の名が役に立ったのかもしれません。でも今は? 鷹井グループも、この鷹井AIラボも確固たる地位を確立し、もはや誰も〝成りあがり〟などと陰口を叩いたりしないのでは?」
今の鷹井家に神室の名など不要、もはや自分はお払い箱なはずだ。
幸い、自分たちはまだ籍を入れていない。婚約破棄程度なら、楓にとってさほどのイメージダウンにはならないだろう。志桜との関係を清算したら、彼だって心から愛する女性、あるいは、よりビジネスにメリットがある相手を選べる。
(楓さんにとっても悪くない提案のはずよ)
勝算はあると踏んでいる。むしろ、彼も待ち望んでいた話なのでは?
しかし、志桜が思っていたほど色よい返事を彼はくれない。
志桜だってあの頃よりはいくらか賢くなり、未来へ繋がる道は一本きりではないと学んだ。そして、婚約破棄くらい世間では案外とありふれた話であることも。
(愛はともかく、信頼すらできない相手と夫婦にはなれないわ)
不幸になるのが目に見えているのに、その道を進むのはあまりにも愚かだ。自分自身の未来のために彼との関係は解消する。思い立ってから早数年、どうしたらいいのか志桜なりに必死に考えてきた。
「当時の鷹井家にとっては、多少なりとも神室の名が役に立ったのかもしれません。でも今は? 鷹井グループも、この鷹井AIラボも確固たる地位を確立し、もはや誰も〝成りあがり〟などと陰口を叩いたりしないのでは?」
今の鷹井家に神室の名など不要、もはや自分はお払い箱なはずだ。
幸い、自分たちはまだ籍を入れていない。婚約破棄程度なら、楓にとってさほどのイメージダウンにはならないだろう。志桜との関係を清算したら、彼だって心から愛する女性、あるいは、よりビジネスにメリットがある相手を選べる。
(楓さんにとっても悪くない提案のはずよ)
勝算はあると踏んでいる。むしろ、彼も待ち望んでいた話なのでは?
しかし、志桜が思っていたほど色よい返事を彼はくれない。